三菱商事、ロシア向け鋼管製造設備100億円で受注

三菱商事は4月27日、ロシアの大手鉄鋼グループOMK傘下の鋼管製造会社であるVyksa Steel Works(ヴィクサ スチール ワークス、以下:VSW)社より鋼管製造設備を受注したと発表した。受注金額は約100億円。

 

株式会社中田製作所(以下、中田)の電縫管製造設備をモスクワから東に約350kmの場所に位置するニジニ・ノヴゴロド州ヴィクサにあるVSW工場に納入する。製造設備は2ラインで構成され、鋼板を最大外径7インチと10インチの鋼管に加工する。稼働開始時期は、それぞれ2018年末と2019年末を予定している。製造された電縫鋼管は、ロシアの石油会社に主に販売され、油井管として使用される予定。

 

三菱商事は契約当事者として契約全体の取纏めを担当し、中田が技術面のサポートと設備の設計・供給を担当。設備の輸送・納入などの契約履行に係る業務全般は、三菱商事マシナリが中心となって進める。

 

今回受注に結び付いたのは、三菱商事、及び中田の豊富な納入実績と、中田が独自に開発した鋼管成形設備「FFX Mill(Flexible Forming Mill)」の成形能力・成形ロールの兼用化* が高く評価されたもの。中田のFFX Millはロシア国内で2008年に25インチ鋼管製造ラインを納入して以来、同国内で合計4ラインの納入となる。

 

原油価格の低迷により、石油産業は世界規模でコスト削減の強化に取り組んでいる。三菱商事は、今後も質の高い製造設備の輸出を通じて、日本の優れた技術、製造ノウハウの世界展開に貢献していく。

 

* 成形ロールの兼用化:

一般的に鋼管製造ラインは、異なった外径サイズの鋼管を生産する際には外径にあわせた専用ロールに取り替える必要があった。中田が独自に開発したFFX Millは、特殊な形状のロール、及びロール位置を精緻に制御する技術により、ロールを取り替えることなく異外径の鋼管生産を実現しました。

 

<中田製作所の概要>

1) 本社所在地: 大阪市淀川区田川3-7-6

2) 事業内容: 電縫鋼管成形機、各種鋼管製造設備等に関する開発・設計・調達・販売及びアフターサービス

3) 代 表 者: 代表取締役社長 中田 充

4) 設   立: 1908年

5) 従業員数: 62名

 

<三菱商事マシナリの概要>

1) 本社所在地: 東京都千代田区丸の内2-6-1

2) 事業内容: 機械・部品の輸出入及び国内取引

3) 代 表 者: 代表取締役社長 徳山 司文

4) 設   立: 1982年

5) 従業員数: 443名(2016年3月31日時点)

< Vyksa Steel Worksの概要>

1) 本社所在地:45, Br. Batashev str., Vyksa, Nizhny Novgorod region, Russia, 607060

2) 事業内容: 鋼管製造(200万トン/年)、鉄道車両用ホイール製造など

3) 代 表 者: Alexander Barukov, Managing Director

4) 設   立: 1757年

5) 従業員数: 約12,000名

 

 

コメントを残す