■北米の産業ビジネスに本格参入
日立製作所は4月25日、ルクセンブルクのフローコントロール・圧縮機メーカー、Accudyne Industries(アキュダイン社)から空気圧縮機の製造・販売を手がける子会社2社を12億4,500万ドル(約1,357億円)で買収すると発表した。
買収するのはSullair(サルエアー)ブランドの空気圧縮機の製造や販売などを手がける米国子会社とシンガポール子会社の2社。買収により日立は、サルエアーの北米地域を中心としたグローバルな販売ネットワークを獲得する。サルエアーの顧客に、日立が長年培ってきたIT×OTのノウハウを活用したデジタルソリューションや、IoT対応プロダクトを提供して社会イノベーション事業のグローバル展開を加速させる。
また、プロダクト事業で日立は、「幅広い産業ニーズに応える『強いプロダクト事業』の確立」をめざし、2015年5月に日立の産業機器事業を統合したインダストリアルプロダクツビジネスユニットを立上げており、中小型の産業機器事業を手がける日立産機システムと一体となったプロダクト事業を展開している。特に空気圧縮機事業を重点事業として位置づけ、日本およびアジアを中心に高品質かつ高効率なプロダクトを提供している。サルエアーの製品群に、補完関係がある日立製品を加え、北米地域を中心としたグローバルな販売ネットワークを活用し、空気圧縮機事業の拡大を図る。
サルエアーは、1965年の創業以来、信頼性を武器とした幅広い空気圧縮機製品をグローバルに販売している。特に北米地域を中心とした強固な販売ネットワークと顧客基盤を確立している。アキュダイン社が日立を選択したのは、日本およびアジアに販売網を有して相互補完の関係にあり、サルエアーが長期的な成功を収めるためのベストパートナーと判断したもの。
<サルエアー社の概要> ▽社名:Sullaue US Purchser,Inc.▽所在地:米国イリノイ州▽資本金377百万ドル▽設立:2012年8月▽約890人▽売上高431億8,600万円(2016年12月)▽当期純利益:△124億8,500万円(同)
<サルエアー・アジア社の概要> ▽社名:Sullaue Asia Pte.Ltd.▽所在地:シンガポール▽資本金487百万ドル▽設立2012年9月▽社員数:約293人▽売上高:104億6,600万円(2016年12月)▽当期純利益:△33億5,400万円(同)