NEDO、丸紅、川重、ウズベキスタンでコージェネシステム実証に本格着手

■従来比38%の省エネ化と電力・熱の安定供給目指す

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、丸紅ユティリティ・サービス、川崎重工業は4月20日、ウズベキスタンのフェルガナ市でガスタービンコージェネレーションシステムの実証事業を開始したと発表した。建設工事開始に伴い、4月19日に首都タシケント市内で事業開始式を開催した。

順次、設備の導入や実証を進め、2020年度末までに同市内の実証サイト2カ所へガスタービンコージェネレーションシステムを実装し、従来比38%の省エネルギー化および電力と熱の安定供給の実現を目指す。

ウズベキスタンでは、経済発展のために電力供給の安定化が必要とされている。特に同国フェルガナ地域は、人口集中による電力需要が大きいのに対して、送電を遠方地域に依存しているため、供給電源の分散化が求められている。

NEDOはウズベキスタン政府との間で、こうした状況の解決に貢献するために、2015年10月の安倍総理大臣の訪問の際に協力合意書を締結、2016年10月には電力と熱の安定供給を目指してガスタービンコージェネレーションシステムの普及に向けた本事業の基本協定書を締結した。

さらにNEDOは委託先に選定した丸紅ユティリティ・サービス、川崎重工業と、2017年1月よりガスタービン装置の設計に着手、4月から電力公社ウズベクエネルゴが実証サイトにおける建設工事を開始した。順次、設備の導入や実証を進めていく。

ガスタービンにより電力供給の分散化を図ることにより、従来、遠方の大型発電所から電力を送電していた地域に対して、近傍からの電力供給が可能となり、施設のエネルギー効率の改善だけでなく、送電距離の短縮による送電ロスの改善に貢献できる。

今後、2020年度末までに、ガスタービンコージェネレーションシステムの技術実証に取り組み、これにより従来システムに比べ38%の省エネ効果の達成および電力と熱の安定供給の実現を目指す。

<実証事業の概要>
(1)実証サイトフェルガナ市内の小規模発電所等 2カ所
(2)相手国協力機関監督機関:ウズベキスタン共和国政府・経済省
サイト企業:電力公社ウズベクエネルゴ
(3)事業期間2017年1月~2021年3月(4年3カ月)
(4)主要導入設備ガスタービンコージェネレーションシステム
発電出力17MW:1基、7MW:1基

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