プライメタルズ テクノロジーズは4月20日、韓国の製鉄メーカーである現代スチール(Hyundai Steel)唐津工場にブルーム連続鋳造機を引渡し、最終検収書(FAC)を受領したと発表した。設計年産能力 110 万トンを有するこの連鋳機は、自動車産業向け特殊鋼生産用の新設プラントの一環として 2014 年初頭に受注したもので、当社は他に棒鋼圧延機及び線材圧延機を各 1系列納入している。同連鋳機は、予定より1カ月早い 2015 年 10 月に稼働が開始されていた。
韓国仁川市とソウル市に拠点を置く現代スチールは、現代起亜自動車グループの一員として、韓国に 6カ所、中国に1カ所の生産工場を構えており、唐津工場では自動車産業向け特殊鋼生産用プラントの新設工事を完了している。同プラントでは、将来的にエンジンやギアボックス部品の主要材料として棒鋼および線材を製造予定で、線材 40 万トン、(直)棒鋼及びコイル巻き棒鋼(バーインコイル)60 万トンの年間生産が計画されている。
今回最終検収書を受領した4ストランド(条)方式ブルーム連続鋳造機は、年産能力が 110 万トンあり、ブレークアウト(溶鋼の湯漏れ)を検知する鋳型監視システム「Mold Expert」が装備されている。また、ダイナミック軽圧下システム「Dynamic Soft Reduction」と、ローラー間隔を完全自動制御するストランドガイダンスシステム「DynaGap 3D」、さらに二次冷却システム「Dynacs 3D」との併用により、均一で高品質なブルーム鋳造品質が確保される。このブルームは、鋳造後の熱間状態のまま形鋼圧延ラインに装入されて圧延されるため、通常は必要となる再加熱工程が不要でエネルギー消費を節約できるほか、クレーンなどでのブルーム搬送も不要となり運用面の安全性も改善される。
さらに、機械単体に加えて、メカトロニクス用の特別な技術パッケージと統合オートメーションがソリューションとして提供されたことにより、製品に要求される高い品質がプラント全体を通じて実現された。