JFEエンジニアリングは4月14日、シンガポール南洋理工大学(以下NTU)から、シャフト式ガス化溶融炉の建設工事を受注したと発表した。JFEエンジニアリングは、昨年7月にNTUと「ガス化溶融炉を用いた共同研究契約」を締結しており、プラント建設後、実証試験段階に入る。なお、このプロジェクトは、東南アジア初のシャフト式ガス化溶融炉建設となる。
JFEエンジニアリングは、今回の実証試験において、NTUと共同で以下の点を検証する予定。
・石炭コークスの代替としてバイオマス燃料を利用。
・一般廃棄物と焼却灰等の混焼。
・灰溶融により生じる副産物であるスラグの再資源化の検討。
ガス化溶融炉は、ごみを高温でガス化・溶融することにより、灰を排出することなくスラグ・メタル等の資源に変えることができる特長を有している。国土の狭いシンガポールでは、政府が最終処分量の減容化を積極的に推進しており、ガス化溶融炉は、灰を埋め立てる必要のない次世代の廃棄物処理技術として大変注目されている。
JFEエンジニアリングの独自技術によるガス化溶融炉は、日本国内で数多く導入され、10年以上の安定した運転実績がある。こうした実績やノウハウが、環境に配慮しつつ廃棄物の最終処分量を削減するNTUの研究開発内容に沿った提案に繋がり、受注に至った。
<受注概要>
(1)発注者:南洋理工大学
(2)工事場所:シンガポール国 トゥアス工業団地内
(3)処理規模:11.5t/日×1炉
(4)工期:2018年末竣工予定