ナカニシ、栃木県鹿沼市に新工場、歯科機器製造能力30%増強

歯科機器等製造のナカニシ(栃木県鹿沼市)は4月14日、鹿沼市深程の宇都宮西中核工業団地で生産拠点「A1工場」新築工事の起工式を行った。新工場では部品加工を強化し、製品生産能力を現在より30%の増強を図る。

新工場は敷地面積5万㎡、一部2階建て延床面積1万4,800㎡。事業費は総額53億円。建屋は2018年2月末に完成させ、本社工場から部品加工設備を移し、同5月から稼働する予定。設計は北川原温建築都市研究所・前田建設工業。施工は前田建設工業が担当した。

新工場が完成すると、全社の工場総床面積は現在より1・8倍に広がることになり、受注状況などに応じ18年以降、10億円程度の生産設備の追加投資も行っていく。

同社は精密部品の85%以上を自社で内製しており、この「A1工場」により、さらなる生産能力アップと品質・効率向上を図る。同時に、「A1工場」は、グローバル市場でのシェア拡大するための中期的な中核生産拠点と位置付けている。

工場は、部材の削り出しから仕上加工までの多数の工程を一気通貫で行えるように生産棟を一棟化する事で、効率化を追求した。さらに管理・厚生棟でも、従業員が効率的に働きやすい環境に配慮した設計となっている。

ナカニシの主力製品は虫歯治療で歯を削るなどに使う「ハンドピース」と呼ばれる器具。小さな金属部品を組み合わせて作り、これら部品の加工や組み立てなどの工程も自社で手掛ける。既存工場では別々の建屋に工程が分かれており、作業効率が悪かった。
18年以降も約10億円を追加投資し設備を増強することも検討しており、生産能力を3割増を実現する。さらに受注が伸びれば、既存工場の空いたスペースも活用し増産する。

ナカニシはハンドピースの世界シェア首位で、売上高の約8割が海外で、欧州のほか従来出遅れていた北米や、新興国でも販売を伸ばしている。2016年12月期は円高に振れた為替の影響で連結売上高は横ばいの318億円だったが、現地の物量ベースでは約6%伸びた。17年12月期も同約7%増の計画。

<新工場概要>
名称:A1工場
所在地:栃木県鹿沼市深程字東山990番22
総投資額:約53億円(土地取得・建設設計費用・什器・その他設備費用を含めた予定額)
敷地面積:約50,000㎡
建築面積:約14,500㎡
延床面積:約14,800㎡
構造:2階建て
完成予定:2018年2月

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