日揮、医薬分野のEPC事業でアジア拠点整備など海外展開を加速

■アジア拠点を整備、米国医薬エンジ企業との協業を開始

日揮は4月10日、中期経営計画(Beyond the Horizon)で掲げるインフラ分野におけるEPC(設計・機材調達・建設工事)事業の強化・拡大施策の一環として、医薬分野における海外プロジェクト受注を目指した活動を積極的に展開しているが、米国医薬エンジ企業との協業を開始、アジア拠点を整備すると発表した。

アジア拠点を整備

東南アジア諸国では、人口増加、所得ならびに生活水準の向上、保険制度の整備、高齢化などを背景に、医薬分野の市場規模が年々拡大している。

人口約9,000万人と、ASEAN第3位の人口を有するベトナムでは、特にその傾向が顕著であり、同国において医薬品工場建設プロジェクトの受注体制強化を目的に、日揮現地法人JGCベトナム社が今年4月にホーチミンに営業事務所を開設する予定。今後、JGCベトナム社と連携しながら、同事務所を拠点に、現地に進出する日系製薬会社、欧米外資製薬会社、ベトナム製薬会社に対する営業活動を推し進め、2017年度中に同国においてプロジェクトの受注を目指す。

加えて、今後、医薬分野の市場規模拡大が見込まれるカンボジア、ラオス、ミャンマー等のベトナム近隣諸国についても、同事務所を拠点として、日揮横浜本社、JGCベトナム社、ASEAN諸国の日揮グループ各社(JGCシンガポール社、JGCマレーシア社、JGCフィリピン社、JGCインドネシア社)が連携し、顧客開拓および案件発掘を進めていく。

さらに、医薬品工場の増設・改造などを含め、今後も医薬分野で継続した設備投資が見込まれる中国においては、2016年7月に設立した日揮化工工程技術(上海)有限公司(JGC China Engineering Co. Ltd.)を活用し、現地の日系製薬会社、中国独資製薬会社への営業活動を強化していく。日揮と同社の連携により、高い技術提案力とコスト競争力を両立する最適なプロジェクト遂行体制を構築し、同国でのプロジェクトの早期受注を実現していく。

米国医薬エンジニアリング会社と協業
2016年11月、日揮は、米国の有力医薬系エンジニアリング会社であるIPS-Integrated Project Services, LLC (注1、以下IPS社)と、医薬品工場プロジェクト分野における協業に関する覚書を締結した。

日揮は、欧米メガファーマをはじめとする多くの企業を顧客に持ち、それら欧米企業のアジア地域における投資計画の動向を熟知する同社と協業することにより、アジア地域における欧米メガファーマなどによる投資計画の実現、日本の製薬会社のアジアおよび欧米進出計画に貢献していく。締結した覚書に基づき、今年3月より、欧米企業のアジア地域への新規投資案件に対する共同提案・見積りを開始した。

日揮は、医薬分野において、堅調な国内プロジェクト受注に加え、海外プロジェクトの受注体制強化により、2020年度までに医療分野を含めたライサイエンス分野における受注額を500億円規模に拡大することを目指している。

<IPS-Integrated Project Services, LLC概要>
・創立:1989年
・本社所在地:アメリカ合衆国ペンシルベニア州ブルーベル
・従業員(グループ全体):約1000名
・事業内容:医薬品等ライフサイエンス関連施設全般のテクニカル・コンサルティング、計画、設計、調達、建設管理、コミッショニング、バリデーション、コンプライアンスサービス、プログラムマネジメント、オペレーション改善サービス、他をグローバルに展開
・事務所及び海外拠点:
・アメリカ:(ペンシルベニア州、カリフォルニア州、インディアナ州、カンザス州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州)
・海外拠点:カナダ、ブラジル、イギリス、スイス、シンガポール、中国、インド)

・ウェブサイト:http://www.ipsdb.com

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