三菱電機、宇宙システム事業1,500億円に向けて生産能力を増強

■鎌倉製作所に「新衛星生産棟」建設

三菱電機は4月7日、鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)に人工衛星の組み立てから試験までを行う「新衛星生産棟」(写真:完成イメージ)を建設すると発表した。人工衛星の並行生産能力を10機から18機に増強することで、今後伸びが見込まれる国内官需衛星と、国内外の通信事業者を顧客とする商用通信衛星の堅調な需要に対応し、2021年度に宇宙システム事業の売上高1,500億円を目指す。

政府の宇宙基本計画には、民生分野における宇宙利用の推進、産業・科学技術基盤の維持・強化に向けた観測衛星・通信衛星・測位衛星などの実利用衛星の中長期的な開発計画が明確化されており、官需衛星需要の伸びが期待されている。また、国内外の商用通信衛星の需要は堅調に推移しており、三菱電機は技術試験衛星9号機をはじめとする官需衛星の開発などから得られる技術を基盤に商用通信衛星の国際競争力強化に取り組み、市場シェア拡大を目指している。

三菱電機はこれまでに、静止気象衛星「ひまわり7・8・9号」、日本初の国産商用通信衛星である「スーパーバードC2」、高精度の位置情報提供サービスを目指す準天頂衛星システム「みちびき」、トルコの国営衛星通信会社から受注した通信衛星「Turksat-4A/4B(トルコサット4A/4B)」など、実利用衛星の開発・製造を担ってきた。

今回、鎌倉製作所に「新衛星生産棟」を建設して生産能力を増強するとともに、「e-F@ctoryコンセプト※」を導入して生産効率を向上させ、品質・工期・コストの競争力を強化することで、2021年度に人工衛星を含む宇宙システム事業の売上高1,500億円を目指す。

<新衛星生産棟の概要>
所在地:神奈川県鎌倉市上町屋325番地
建築面積・構造 建築面積:約6,600㎡、延べ床面積 約13,000㎡・鉄骨造 4階建
主な生産品目 1.人工衛星システム:観測衛星、通信衛星、測位衛星 他

<人工衛星搭載機器>
並行生産能力:人工衛星18機(既存設備との合計)
主な導入設備:大型スペースチェンバー、大型振動試験設備、電波試験設備 他
竣工・稼働開始予定:2019年7月竣工、2019年10月稼働開始予定
投資額:約110億円
環境・省エネ対策:太陽光発電システム、ヒートポンプ式空調システム、LED照明、電力設備監視システム

※サプライチェーン・マネジメントおよび開発設計の全業務プロセスを改善し、トータルコストを削減する考え方。

以上

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