■国内のCFBボイラで初めて燃料にEFBを使用
JFEエンジニアリングは4月7日、大船渡発電(本社:岩手県大船渡市)が岩手県大船渡市の太平洋セメント大船渡工場敷地内に計画している発電プラントのEPC(設計・調達・建設)を受注したと発表した。
今回受注したプラントの発電出力は75,000kWで、同社が提携しているフィンランドのバルメット社製CYMICTMCFBボイラを適用し、PKS、EFB及び石炭を燃料として利用する。
今回燃料として採用予定のEFBは、PKSを上回る賦存量のあるバイオマス燃料として以前より注目されていたが、その取り扱いが難しくこれまで国内ではほとんど利用されていなかった。今回のEFBの採用を機に、当社ならびにValmet社は今後も技術開発を重ね、従来困難とされていたバイオマス燃料や廃棄物系燃料の適用を拡大していく。
同社は燃料における多様な選択肢をもたらすことで、顧客の発電所の競争力向上と燃料の安定調達に寄与するとともに、高効率の発電所の建設を通して、これからも省資源、低炭素社会の形成に貢献していく。
※1 木質バイオマスによる電力卸事業を行うことを目的とし、太平洋セメント株式会社(出資比率65%)とイーレックス株式会社(同35%)が2016年8月に設立した会社
※2 年間発電電力量にすると、約480,000MWh(一般家庭の約110,000世帯分の電力消費量に相当)
※3 Valmet Technologies Oy。Valmet Corporation(NASDAQ Helsinki上場)の100%子会社
※4 当社と業務提携しているValmetの循環流動層(Circulating Fluidized Bed)ボイラ、商品名:CYMICTMボイラ
※5 PKS:Palm Kernel Shellの略。マレーシアやインドネシアなど東南アジアで栽培されるパームヤシの実からの搾油時に発生する殻
※6 EFB:Empty Fruits Bunchの略。パームヤシの房から実を取り出した後に残る空果房
※7 ある資源について、利用の可否に関係なく理論的に導き出された総量のこと
■発電所の概要
1.発電形式:循環流動層(CFB)ボイラ+再熱復水蒸気タービン発電機
2.取扱い燃料:PKS(椰子殻)、EFB、石炭
3.出力:75,000kW
4.商業運転開始:2019年(予定)
5.所在地:岩手県大船渡市赤崎町字跡浜21番地の6
(太平洋セメント株式会社 大船渡工場敷地内)
■Valmet Corporation
1.代表者:President and CEO Pasi Laine
2.設立日:2014年1月(Metso Corporationより分社)
3.所在地:Keilasatama 5 / PO Box 11, FI-02150 ESPOO, FINLAND
4.主な事業:パルプ、製紙機械、エネルギー設備、オートメーション機器の製造販売とそれらに関連するサービス
5.資本金:100百万ユーロ
6.株式:NASDAQ Helsinki上場
以上