■メキシコ向けに3年連続、エルカルメンGTCC発電所プロジェクトで
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は3月22日、スペインに本拠を置く多国籍電力事業者のイベルドローラ社(Iberdrola SA)がメキシコに建設するエルカルメン(El Carmen)火力発電所向けに、M501 J形ガスタービン2基と蒸気タービン1基を受注したと発表した。天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核機器となるもので、出力は85万キロワット、運転開始は2019年9月の予定。メキシコでの同社からの受注は、一昨年10月のノレステ(Noreste)火力発電所向け、昨年4月のノロエステ(Noroeste)火力発電所向けに次いで、3年連続3回目となる。(写真:M501 J形ガスタービン)
今回のプロジェクトも前2回と同様に、当社の米国拠点であるMHPSA(Mitsubishi Hitachi Power Systems Americas, Inc.)を通して受注したもの。
エルカルメンGTCC発電所は、同国北東部のヌエボ・レオン(Nuevo Leon)州エルカルメンに新設される。世界最高水準の高効率発電を実現するM501 J形ガスタービンを採用し、運転開始後は地域の約300万人相当の旺盛な電力需要に応えていくことになる。
今回のGTCC発電設備は、M501 J形ガスタービン2基、蒸気タービン1基、排熱回収ボイラー、発電機などで構成される。MHPSはこのうち、主機となるガスタービンと蒸気タービンを製作・供給するほか、技術者が現地で据付・試運転の指導に当たる。発電機は三菱電機製を採用する。
MHPSAの社長・CEOポール・ブローニング(Paul Browning)は、今回の受注を受けて次のように述べている。「メキシコにおけるイベルドローラ社からの連続受注は、M501J形ガスタービンの世界最高水準の効率に加え、当社がスケジュール通りに納品し、性能保証を満たし、99パーセントを上回る信頼性を達成していることが高く評価されたことによるものです」
J形ガスタービンは、世界最高水準の高効率運転を実現する当社の主力機器。2009年の市場投入以来、国内外で順調に受注を拡大しており、その受注累計は今回で、50ヘルツ用のM701 J形も合わせて47基に達した。うち23基が商業運転を開始し、その累計運転時間はJ形全体で35万時間を超えている。北米でのJ形ガスタービンは、今回の2基を
MHPSは今後も、最新鋭機であるJ形ガスタービンとGTCC発電設備の市場浸透に一層力を注いで、資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していくとしている。