住友商事/IHI、モザンビークでガス焚き複合火力発電所を建設

住友商事とIHIは3月16日、日本時間15日にモザンビークの国営電力公社(EDM)との間で、イニャンバネ州テマネにおけるガス焚き複合火力発電所(発電容量100メガワット、以下「本発電所」)の土木据付込み一括請負契約(EPC契約)を締結したと発表した。

本発電所の建設予定地は、首都マプトから700キロメートル北東に位置している。発電容量は100メガワットであり、モザンビークの国内電力需要の約1割相当の電力供給を担う見込み。本発電所は、住友商事がコンソーシアムリーダーとしてEDMとの折衝窓口や調整役を担い、IHIが関係会社であるJurong Engineering Limitedと共に主要機器であるガスタービンや発電機を供給、土木も含む機器据付、電気工事等の現地作業を実施、発電所全体の建設を取りまとめ、2018年の着工および2021年の完工を目指す。

住友商事は、昨年8月にアフリカ・ナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)で本発電所開発に関する覚書をEDMと締結し、今回の契約調印に繋がったもの。

また、住友商事とIHIは、昨年2月に発表のとおり,マプトにおいてモザンビーク初のガス焚き複合火力発電所を手掛けており、2018年の完工を目標に現在建設中。本発電所は、両社が同国において共同で取り組む2案件目のガス焚き複合火力発電所となる。

また、現在テマネではEDMが保有する12メガワットのガスエンジン発電所が稼働中であり、本発電所は、既存発電所の拡張案件として建設される。発電能力の拡張により、電力需要の伸びが著しい港湾都市ベイラなどの周辺都市へ電力供給が可能となる。

本発電所には,IHIが開発に参加している、40メガワットクラスでは世界最高性能を有するGE社製航空転用型LM6000ガスタービンをIHIが発電パッケージにまとめ、自社製制御装置と組み合わせて、排熱を蒸気タービンで回収し発電効率を高めるコンバインドサイクルシステムとして納入される。

モザンビークは東アフリカの貿易拠点として、豊富な天然資源産出国として、世界各国の企業が進出しており、高い成長率(年率7~8パーセント)で経済成長を続けている。それに伴い、電力需要も年率10パーセントと非常に高い割合で伸びている。

モザンビークは南北2,000キロメートルにわたる広大な国土を有する一方、主要な発電所は北西部にある水力発電所のみであり、発電所の建設は喫緊の課題となっている。また、今後開発される大規模ガス田によりガス火力発電所が主要電源となることが予想される中、ガス火力発電所の運営ノウハウが求められている。先行しているマプトの発電所と本発電所と合わせて、IHIが中心となりガス火力発電所の運営ノウハウの技術指導も実施し,機器のアフターサービスも含めてライフサイクル全般にわたる支援をします。本発電所は、日本政府の推進する「質の高いインフラパートナーシップ」に資する案件として、日本の資金、技術を活用してモザンビークの基礎インフラ整備の一翼を担う。

住友商事が各国で取り組んできた発電所建設(EPC)の総容量は約50,000メガワット、今後、豊富な契約履行実績と経験を基に、世界規模での電力インフラ関連ビジネスを拡充し、インフラ整備を通じて各国の経済発展に寄与していく。

IHIは日本および東南アジアを中心とした海外に多数のガスタービン、石炭焚きボイラ、LNG関連施設の納入実績があり、ここで得られた技術ノウハウを生かして高効率・高品質で環境性能にも優れたエネルギーシステムをアフリカ市場にも提供し、同地域の経済発展に伴う、エネルギーの安定供給に貢献していく。

※EPC:Engineering Procurement and Construction
■ 参考資料1 : サイト地図
■ 参考資料2 : 「LM6000」ガスタービンコンバインドサイクル発電設備(イメージ) 

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