三菱重工グループのPWパワーシステムズ(PW Power Systems, Inc.:PWPS)は3月16日、リビア向けに出力25,000kWのガスタービン発電機「FT8(R) MOBILEPAC(R)(FT8モービルパック)」(米国登録商標)を2ユニット受注したと発表した。同国の首都トリポリに設置されて、4月から電力供給を開始する予定で、リビア電力公社(General Electricity Company of Libya:GECOL)が所有して運営を手掛ける。
今回の受注は、米国パワー&ウォーター・アライアンス社(Power & Water Alliance LLC:P&WA)が、リビア国民の人道支援を目的にカタール政府が設立したカタール開発基金(Qatar Fund for Development:QFFD)と締結したターンキー契約の一環で、PWPSはP&WAを通じてFT8(R) MOBILEPAC(R)をGECOLに供給。発電にはディーゼル燃料油を使用する。GECOLとP&WAとの契約には、QFFDのハリファ・ビン・ジャシム・アル・クワリ(Khalifa bin Jassim Al Kuwari)専務理事(Director General)が調印した。
PWPS社長のピーター・クリストマン(Peter Christman)は次のように語っている。「短期での据え付けが可能なFT8(R) MOBILEPAC(R)ガスタービンユニットをリビアの人々に届け、迅速に支援していきます。素早く安定的な電力供給が可能なこれらの移動式発電プラントは、幅広い燃料に対応できる柔軟性と信頼性を提供し、病院やコミュニティケアセンターなどの重要なインフラストラクチャー(社会基盤)の運営をサポートします。」
ガスタービン発電機FT8(R) MOBILEPAC(R)は、米国の航空機用エンジンメーカー、プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney:P&W)が供給するエンジンを動力源とする航空機エンジン転用型ガスタービン発電機。燃料は天然ガスおよび液体燃料で、パッケージ型となっているため、世界中どこへでも迅速に輸送して設置できる。PWPSは、すでに550基以上のFT8(R)ガスタービンを供給しており、そのうち127基がFT8(R) MOBILEPAC(R)仕様となっている。
PWPSは、本社を米国コネチカット州グラストンベリー(Glastonbury)に置き、航空機エンジン転用型ガスタービンのエンジニアリング・組み立て・販売・サービス、EPC(設計・調達・建設)などを手掛ける三菱重工グループ会社。高効率のハイエンド機を得意とする三菱日立パワーシステムズ(MHPS)のガスタービン事業に、分散型電源としても優れたPWPSの航空機エンジン転用型ガスタービンが加わることで、三菱重工のガスタービン事業は幅広いニーズに応える製品群をラインアップするに至っている。
三菱重工グループは今後も、PWPSと緊密に連携し、定置用ガスタービンと航空機エンジン転用型ガスタービンの双方を手掛ける強みを相乗効果につなげ、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に貢献するガスタービンのグローバル展開をさらに加速していく。