日立造船、スウェーデン向けコンポガスプラント建設工事を受注

■スカンディナビア地域で初のコンポガスプロジェクト

日立造船の100%子会社で欧州におけるごみ焼却発電プラント(以下、EfWプラント)建設事業でトップシェアを有するHitachi Zosen Inova AG(スイス、CEO:Franz-Josef Mengede、以下HZI)は3月1日、スウェーデンのバイオガス関連施設の建設、所有、運営をするE.ON Biofor Sverige ABからコンポガスプラントの建設工事を受注したと発表した。建設地は、スウェーデンの首都ストックホルムの北西に位置するウップランズ・ブロー市内。

受注案件は、スカンディナビア地域における初めてのコンポガスプロジェクト。2014年にAxpo Kompogas Engineering AG(スイス、以下Komeng)からコンポガス事業を買収したHZIにとっても初のターン・キー受注案件となる。同プラントは、年間8万3,000トンの主に食品残渣や畜産系廃棄物などを発酵させ、バイオガスを生成する。生成したバイオガスは、高純度なメタンガスに精製され、年間680万●が天然ガスの配管網へ供給される。発酵後の残渣は、固形堆肥および液肥へ堆肥化されたうえで農家へ供給される。

EUでは、1999年に「Landfill Directive(埋立て規制に関する指令)」が採択されており、埋立て比率の削減が求められていることから、ごみ焼却発電やメタン発酵処理の需要が高まっている。そして、スウェーデンでは温室効果ガス削減への取組みがすすめられており、化石燃料ゼロ社会を目指している。

<プラントの概要>
発注者:E.ON Biofor Sverige AB
施設規模:有機性廃棄物83,000トン/年
残渣処理:堆肥化(固形堆肥、液肥)
ガス生成量:メタンガス6,800,000?/年
建設地:スウェーデン ストックホルム県 ウップランズ・ブロー市
納期:2018年10月

■HZIのコンポガス「KompogasR」:乾式メタン発酵の代表的な手法の1つ。生ごみなど有機性廃棄物を嫌気性状態で、約55℃の温度に保ち、微生物の働きによりバイオガスを発生させるとともに、堆肥化を実施する。なお、HZIの「KompogasR」は世界30カ国以上の国々で商標登録されている。

■HZIのコンポガス事業の取組み:HZIは、EfWプラント事業が大部分を占めており、業容の拡大を図るために2014年にKomengのコンポガス事業を買収した。買収により、「ごみ処理」分野の事業領域が拡大し、EfWプラント案件にコンポガスを複合させた提案が可能となった。HZIは、EfWプラントとコンポガスプラントの両EPC事業のシナジー効果を発揮させ、事業規模を拡大させていく考え。

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