独ティッセン・クルップ、ブラジル子会社を1,800億円で売却

独鉄鋼・エンジニアリング大手のティッセン・クルップは2月22日、ブラジル子会社のアトランティコ製鉄(CSA)をアルゼンチン鉄鋼大手のテルニウムに15億ユーロ(約1,800億円)で売却することで合意したと発表した。ティッセンは3年前に米国工場を新日鉄住金などに売却しており、これで米州の鉄鋼事業から完全に撤退する。今後はエンジニアリング・機械部門に経営資源をつぎ込む。

2011年に就任したハインリッヒ・ヒージンガー社長はエレベーターやプラント、自動車部品などを強化し「脱鉄鋼」を鮮明にしてきた。米州の鉄鋼事業に総額120億ユーロ以上も投じてきたエッケハルト・シュルツ前社長時代の負の遺産をようやく整理する。

ティッセンは欧州の鉄鋼事業をインド・タタ製鉄の欧州事業と統合する交渉も続けている。鉄鋼メーカーの印象が強いティッセンだが、米州の鉄鋼事業(16年9月期の売上高15億ユーロ)から手を引くと、鉄鋼の売上高構成比は約2割まで下がる。

 

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