プライメタルズテクノロジーズ は3月2日(ロンドン)、中国有数の鉄鋼メーカーである宝山鋼鉄(Baoshan Iron & Steel Co. Ltd.、宝鋼))より、上海の同社第1製鉄所向けに第3スラブ連続鋳造機のマシンヘッドとストランドガイドシステム全体を更新する近代化工事を受注したと発表した。近代化された連鋳機は2018 年第1四半期に稼働開始予定。
宝鋼集団は、中国国内および海外市場向けに高品質の鉄鋼製品を年間約3,500万トン(2015年実績)生産する世界有数の鉄鋼メーカー。近代化される第3スラブ連続鋳造機は他社により建設されたもので、湾曲半径10 m、凝固完了長さ34.5m、年産能力は約230 万トン。
同プラントでは2003 年以来、最小厚 220㎜までのスラブを製造しているが、今回の近代化工事により、超低炭素鋼から高炭素鋼、微細粒合金鋼、低合金鋼、包晶鋼、HSLA 鋼、構造用鋼、鋼管、鋼板に至るまで幅広く、厳しい要求使用に適合する高品質スラブとして、板幅1,200㎜~2,300㎜、板厚250㎜、300㎜、さらに最大357㎜のスラブの鋳造が生産可能となる。鋳造後のスラブは、引き続き同製鉄所内で厚板圧延機と熱間圧延機により圧延加工される。
近代化される連鋳機には、鋳型内の湯面レベルの制御システム「LevCon(レブコン)」を搭載したカセット方式でストレート形状の鋳型システム「Smart Mold(スマートモールド)」、ブレークアウト(溶鋼の漏れ)自動検知とプロセスデータ監視用システム「Mold Expert(モールドエキスパート)」、鋳造中でもスラブ幅が変更可能な機構「DynaWidth(ダイナウィデュス)」、モールド鋳型のオシレータ機構「DynaFlex(ダイナフレックス)」、および電磁誘導式の溶鋼撹拌装置が装備される。