自動車向けクラッチ板大手のダイナックス(北海道千歳市)は1月24日、70億円を投じて苫小牧工場を拡張すると発表した。将来の増産をにらみ、クラッチ板に使う摩擦材のもととなる紙の生産能力を月60トンから月190トンに増強するほか、従来は外注していた鋼材の加工作業を内製化する。
4月に着工し、2018年3月上旬の竣工を予定。拡張に伴い、18年度に向け100人ほどの新規雇用を計画している。
このほか、苫小牧市内の4カ所に散在していた部品倉庫を苫小牧工場内の1カ所に集約する。クラッチ板の一貫生産体制を構築して、輸送費削減を進めると同時に、自然災害で交通網が寸断した場合でも生産を続けられるようにする。今回の拡張ではクラッチ板自体の生産能力は変わらないという。
拡張部分の建築面積は1万6,800㎡。ダイナックスは将来の増産を視野に拡張部の3割ほどの面積を予備スペースとして確保しているほか、19年3月までに苫小牧工場のさらなる拡張を検討している。