小麦粉や食用油などの製造販売を手掛け、ことし創業100周年を迎えた理研農産化工(佐賀市、鵜池直之社長)が、記念事業として同市大財北の佐賀本店・工場敷地内に製粉の新工場を建設する。県産小麦の全量使用を目標の一つに掲げており、「地元貢献を通して会社発展を目指したい」と話している。
同社によると、現製粉工場は築70年。老朽化も目立つことから新工場建設を決めた。5階建て、延べ床面積約1,500㎡で、総事業費は約40億円。11月に起工式を行い、2020年の完成を目指す。
食の安全に対する社会の要請は強く、新工場は衛生管理のために窓のない設計を採用。気圧を外部より高くすることで異物混入を防ぐほか、年間を通じて工場内の温度や湿度を一定に保つ。スイス製の最新製粉機械を導入し、生産能力は現工場の約1.5倍の日産230トン、年間7万5,000トンを計画している。
製粉業界は原料小麦の約9割を輸入に頼っているが、取引先からは国産小麦を求める声も強いという。佐賀県は小麦生産量全国3位。同社は立地のメリットを生かし、これまで原料小麦の3割に県産を使用してきており、新工場では県内で生産される年間約3万トンの全量を引き受ける計画を掲げている。同社は「地産地消の事業モデルで県内農業の発展に寄与したい」と話している。
同社の2016年3月期連結決算は売上高250億5,600万円、経常利益1億6,700万円。