王子HD、豪州でパルプ原料のダンボール生産新工場建設

王子ホールディングス(HD)は1月10日、オーストラリアでパルプを原料とし、通気性がよく、湿度に強い高品質なダンボールの新工場を建設することが明らかになった同国のパルプ製ダンボールの生産能力は5割増える。原料調達の難しさなどから、豪州ではパルプ製ダンボールを生産できる製紙会社は限られる。差異化を図り、現地で増えている中国向け農産物輸出などの需要を取り込む。

 

新工場はクイーンズランド州で2017年10月に本格稼働する。投資額は約50億円。段階的に設備を増強し、2019年にも月産能力を300万〜400万平方メートル規模に増やす。古紙ではなくパルプを原料とするダンボールを生産し、現地の精肉工場や農業事業者に供給する。

 

豪州ではシドニーとメルボルンでもパルプ製ダンボールを作っており、新工場の建設で生産能力は5割増える。古紙生徒比べて通気性がよく湿度に強いため、衛生面で優れており、食品輸送などに向く。

 

豪州では2015年12月に中国との2国間自由貿易協定(FTA)が発効し、牛肉や果物など農産物の輸出が増えており、パルプ製ダンボールは堅調な需要が見込めると判断した。

 

王子HDは東南アジアとオセアニアなどにもダンボール工場を持つが、大半が古紙を原料とする。ダンボールを含む産業資材事業の売上高は約6千億円で連結売上高の約4割を占める。日本のダンボール事業は需要に対し生産設備が多い設備過剰の状態が続くため、品質の高さを武器に、海外でシェアを拡大する。

 

 

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