三菱レイヨン、独SGL社米国炭素繊維工場を買収

ニュースリリース

 

三菱レイヨン株式会社(本社:東京都千代田区、社長:越智 仁、以下「当社」)は1月10日、北米市場における炭素繊維事業の拡大を図るため、独SGL Groupの米国における炭素繊維製造拠点であるSGL Carbon Fibers LLC(本社:米国ワイオミング州エバンストン、以下「SCF社」)を買収することを決定しました。

 

当社の100%子会社であるMitsubishi Rayon Carbon Fiber and Composites(本社:米国カリフォルニア州アーバイン、以下「MRCFAC社」)が、SCF社の親会社であるSGL Technologies North America社から同社の全持分を取得し、2017年4月初旬までに子会社とする予定です。

 

当社は、航空機や圧縮ガスタンク用に使用されるレギュラートウ並みの物性と品質を持ちながら、大型部品成形時に高い生産性を実現する「高機能ラージトウ」という独自の炭素繊維を開発し、2011年7月の大竹事業所炭素繊維工場の稼働以来、用途開拓を進めてきました。

ラージトウは特に風力発電機のブレード(翼)向けに需要が伸長しており、当社はブレード向け炭素繊維複合材料積層板の製造・販売を行う合弁会社を昨年10月に欧州に設立するなど事業展開を強化しております。また、自動車の軽量化材料としても、高機能ラージトウを用いた各種中間材料の引き合いが増加しており、当社の生産設備は高稼働状態が続いています。

 

当社は、このようなラージトウ需要伸長に対応するため、今般の買収による炭素繊維焼成能力増強を決定しました。これにより当社の炭素繊維製造能力は1,000トン以上増加し、近々稼働するMRCFAC社の米国サクラメントのレギュラートウ炭素繊維工場の能力増強と、2017年に予定する当社大竹事業所の能力増強を合わせ、現在の炭素繊維年間生産能力10,100トンが2017年には14,300トン以上まで拡大することになります。

 

また、将来見込まれる炭素繊維マーケットの一層の拡大を踏まえ、今後、SCF社敷地内において、更なる炭素繊維及び中間材料製造設備の増設も検討します。

 

当社は、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画APTSIS 20において、2020年に炭素繊維・複合材料事業で1000億円の売上目標を掲げています。欧州、北米、アジアおよび日本に展開する中間材料や成形部材(CFRP)の開発・製造拠点との協業を通じ、高機能ラージトウの特長を最大限に活かして、自動車用途をはじめとする産業分野の成長を取り込む計画です。

【SCF社概要】

名称 : SGL Carbon Fibers LLC

事業内容: 炭素繊維の製造販売

所在地 : 米国ワイオミング州エバンストン

 

以 上

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