日本ガイシは10月28日、中国江蘇省に自動車の排ガス浄化装置の新工場棟を建設すると発表した。投資額は約120億円で、2018年4月から順次生産を始める。中国での排ガス規制強化に対応し、現地での生産能力を現状より25%増の年約5000万個に増強する。
江蘇省にある排ガス浄化装置の製造子会社の敷地内に、新たな工場棟を設ける。ガソリン車の排ガスから粒子状物質(PM)を除去するセラミックス製の装置「GPF」と、排ガス中の窒素酸化物(NOx)などの有害物質を触媒の力で浄化する装置「ハニセラム」の2種類を生産する。
中国の工場ではディーゼル車向けのPM除去装置「DPF」などをすでに生産している。同国の排ガス規制が段階的に強化されていくなかで、浄化装置の供給能力を高める。同時にガソリン車用のGPFを初めて中国で生産するなど品ぞろえも増やす。
日本ガイシは排ガス浄化装置の世界大手で、日本を含む世界8カ国に計9工場ある。世界各地での環境規制強化をにらみ、ポーランドに第2工場を新設するほか、タイに初めての生産拠点を設ける準備を進めている。