kikai-news.net

UBE三菱セメント、2027年3月末目途に苅田第二地区を停止

・リサイクル推進拠点へ再構築

UBE三菱セメント(東京都千代田区)は12月23日、九州工場苅田第二地区のセメント生産を2027年3月末を目途に停止し、同地区を廃棄物処理に特化したリサイクル推進拠点へ再構築すると発表した。セメント国内需要の減少と輸出採算の悪化という厳しい事業環境に対応するとともに、2050年カーボンニュートラル実現に向けた熱エネルギー代替率の向上を図る。

同社は三菱マテリアルとUBEが折半出資する持分法適用関連会社。今回の決定は資産効率の適正化とセメント事業の競争力強化を目的としたもので、苅田第二地区の生産機能は苅田第一地区に集約し、九州工場全体の生産設備効率化を進める。

■カーボンニュートラル実現へ熱エネ代替率50%超目指す

再構築後の苅田第二地区では、既設の廃プラスチック破砕・梱包設備や塩素・異物除去設備を活用し、廃棄物処理能力を大幅に拡大する。同社は国内屈指の生産能力を持つ九州工場での熱エネルギー系廃棄物処理量を増やすことで、全社の熱エネルギー代替率50%以上の達成を必須課題と位置づけている。

苅田第二地区は1964年の操業開始以来、年間150万トンの生産能力を持ち、普通セメントや高炉セメントを製造してきた。現在も廃プラスチック類や汚泥、廃油など17品目の廃棄物を取り扱っており、リサイクル拠点化によってこれらの処理機能をさらに強化する方針だ。

■業界全体で進む生産体制見直し

セメント業界では需要減少を背景に生産体制の見直しが相次いでいる。今回の決定は、収益力向上と環境対応の両立を目指す業界全体の動きを象徴するものといえる。
三菱マテリアルは今回の件による2026年3月期連結業績への影響は軽微としている。UBE三菱セメントは今後、最適操業体制の確立とサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させる構えだ。

<九州工場苅田第二地区の概要>
所在地:福岡県京都郡苅田町長浜町7
操業開始:1964(昭和39)年
生産能力:1,500千t/年
生産品目:セメント製品(普通セメント、高炉セメント)
取扱廃棄物品目:廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず等(以上3品目については、自動車等破砕物を含む。)、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、鉱さい、がれき類、ばいじん、政令第2条第13号廃棄物 以上17品目

ニュースリリース

モバイルバージョンを終了