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極東開発、バイオブリケット製造設備を納入

・ダイハツメタル出雲工場向け カーボンニュートラル燃料で鋳造工程の脱炭素化

極東開発工業は12月24日、バイオブリケット製造設備一式をダイハツメタル(兵庫県川西市、金岡秀輝社長)およびダイハツ工業(大阪府池田市、井上雅宏社長)向けに納入したと発表した。

納入した製造設備は、ダイハツメタル出雲工場(島根県出雲市)のキュポラ溶解炉で使用するバイオブリケットを生産する。同バイオブリケットは、ダイハツ工業とダイハツメタルが共同開発した製造技術に基づくもので、鋳造工程における化石燃料からの転換を図る。

■5工程で構成、地域資源を活用

製造設備は破砕機、粒度選別機、乾燥機、混合機、成形機の5つの主要設備で構成される。原料には地域資源である廃菌床やバーク(樹皮)を使用し、これらを圧縮成形してカーボンニュートラルな固形燃料に加工する仕組み。

バイオブリケットは木材や植物繊維などのバイオマス資源を原料とする固形燃料で、燃焼時のCO2排出がカーボンニュートラルとみなされる。鋳造業における溶解炉は大量の燃料を消費することから、バイオマス燃料への転換は業界全体の脱炭素化に向けた重要な取り組みとなる。

■環境事業を積極展開

極東開発は今回の納入について「環境事業を通じて、バイオマス活用を検討する自治体や事業者のニーズに応える設備を積極的に展開し、環境負荷低減およびSDGs達成に貢献する」との方針を示した。

同社は特装車メーカーとして知られるが、近年は環境・リサイクル関連設備事業も強化している。バイオマス関連設備の供給を通じて、製造業の脱炭素化支援を進める構え。

鋳造業界では、エネルギーコストの上昇と環境規制の強化を背景に、代替燃料への関心が高まっている。地域の未利用資源を活用したバイオマス燃料の導入は、コスト削減と環境対応を両立する手段として注目を集めそうだ。

ニュースリリース

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