・廃棄家電や金属類の解体・選別を効率化、安全性と再資源化品質を向上
コマツは12月25日、廃棄家電や小型自動車部品などの解体・選別作業に特化した小型油圧ショベル「PC78US-11 マルチリサイクラ仕様」(機械質量9,740kg、ハンドラ装着時)を発売したと発表した。金属リサイクル現場における作業の安全性向上と効率化を図るとともに、再資源化品の高品位・高付加価値化に貢献する。
新機種はこうした課題を背景に開発。車体下部に開閉式クランプアームを搭載し、小型対象物を確実に固定できる構造とした。さらにアーム先端に装着した専用ハンドラにより、低硬度物の切断、部品のもぎ取り、仕分け作業を迅速に行える。部品単位での分離が可能となり、鉄や銅などの金属を高純度で回収できる点が特長。
主な特長の一つが、解体・選別作業に特化して設計した開閉式クランプアーム。多様な形状の対象物に対応できるよう、作業内容に応じたアクセサリ配置を最適化し、クランプアームとハンドラの組み合わせで細かな作業と高い処理スピードを両立させた。
廃棄家電解体向けに設計したハンドラも特徴で、先端を狭幅形状とすることで狭所へのアクセス性を高め、電線など細部の把持を容易にした。回転・開閉スピードを調整できるプロポーショナルレバーを標準装備し、位置合わせや掴み作業を滑らかに行える。先端チップには耐摩耗性に優れた特殊鋼を採用し、チップのみ交換可能な構造とすることで、耐久性とメンテナンス性を高めた。
安全性と耐久性にも配慮する。増量カウンタウエイトを標準装備して作業時の安定性を確保したほか、フロントガードとヘッドガードにより飛散物からオペレーターを保護しつつ視界を確保。アーム、アンダーカバー、デッキガードを強化し、衝撃や摩耗による損傷を抑制する。
主な仕様は、機械質量(ハンドラ装着時)9,740kg、定格出力ネット50.6kW(1,850min⁻¹)、全長8,070mm、全幅2,330mm(クランプアーム閉)、全幅2,370mm(同開)、全高2,900mm(輸送時)。リサイクル現場の高度化が進む中、専用仕様機による工程改善と品質向上を狙う。