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米キャタピラー、カスタマイズ型現場支援「Cat Job Site Solutions」が20周年

・顧客成果に直結するアウトカム型支援モデルをグローバルで展開

キャタピラー(Caterpillar):2025年12月22日

キャタピラーは12月22日、同社の現場支援プログラム「キャット・ジョブサイト・ソリューションズ (Cat Job Site Solutions)」が提供開始から20周年を迎えたと発表した。機械の販売や保守にとどまらず、顧客の事業成果(アウトカム)を重視した独自の支援モデルとして、建設、鉱山、採石、産業、廃棄物処理など幅広い分野で導入が進んでいる。

同プログラムの起点は2005年、「顧客のために何ができるか、どうすれば違うやり方ができるのか」という一つの問いだったという。現在では、キャタピラー本体と世界規模のキャットディーラーネットワークの知見を結集し、現場ごとの成果目標に基づく「アウトカム型現場パフォーマンス契約」を提供するグローバルプログラムへと発展した。

■成果連動型契約で顧客とリスクを共有

キャット・ジョブサイト・ソリューションズは、キャタピラー、ディーラー、顧客の三者がそれぞれ責任を持ち、成果に応じてリスクとリターンを共有する柔軟な契約形態を特徴とする。設備、保守、データ活用、関連サービスを月額の予測可能なコストにまとめ、顧客の運用負担を軽減する点も強みだ。

単なる機械提供にとどまらず、稼働率向上、生産性改善、総コスト削減といった測定可能な成果の創出を重視しており、特定の製品や技術に限定しない横断的な支援を行っている。

マット・キース(Matt Kees)副社長兼ゼネラルマネジャーは「ディーラーやキャタピラーチームと連携し、顧客の声に耳を傾け、課題解決を進めてきた。その積み重ねで、稼働率向上、運用コスト削減、キャッシュフロー改善、安全文化の醸成に貢献してきた」と述べ、現場ごとに築いてきた信頼こそが同プログラムの差別化要因だと強調する。

■データと人を組み合わせた次世代支援へ

顧客が同プログラムを選ぶ理由として、Cat Financialとの連携による柔軟なファイナンス、包括的なフリート管理による燃料コスト低減、状態監視による部品寿命の延長などが挙げられる。

マーク・キャメロン(Marc Cameron)上級副社長は「顧客の現場目標を理解することから始め、そのニーズに合わせた解決策を設計する。例えば、運搬路の適切な維持管理による生産コスト削減や、専門トレーニングによるオペレーター能力向上などだ」と説明する。

今後は、データ駆動型インサイトとデジタル接続性を一層活用し、リアルタイムの予測分析によってダウンタイムを未然に防ぐ体制を強化する方針だ。デニス・ジョンソン(Denise Johnson)・グループプレジデントは「現場にデータ専門家を配置し、フリートをリアルタイムで監視することで、より速く、より賢く、より高度に接続された支援を実現する」と語る。

創設メンバーの一人で、現在キャタピラー石油・ガス・マリン部門の上級副社長を務めるジョン・シャナハン(John Shanahan)は「顧客成果へのコミットメントという前例のない発想から始まった。ここまで発展するとは想像できなかったが、顧客への情熱という普遍的な価値が基盤にある」と振り返る。

キャット・ジョブサイト・ソリューションズは、20年の歩みを礎に、データと人を融合した次世代の現場支援モデルとして、さらなる進化を目指すとしている。

ニュースリリース

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