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早稲田大学/三菱電機/清水建設、平常時と非常時に対応する「フェーズフリーロボット」の研究開発を開始

・製造・物流・建設から被災地支援まで、2027年度末の社会実装を視野

早稲田大学三菱電機清水建設の3者は12月24日、平常時と非常時の双方で活用可能な「フェーズフリーロボット」の研究開発を開始したと発表した。製造、物流、建設、オフィス、介護福祉などの通常業務で利用しつつ、災害発生時には被災者の検知や救援物資の配布、巡回、清掃などに転用できるロボットの実現を目指す。2027年度末までの社会実装を視野に、研究成果の段階的な実装も進める。

背景には、地球温暖化に伴う集中豪雨や線状降水帯の増加、地震の多発など、自然災害リスクの高まりがある。日本周辺ではマグニチュード6以上の地震が世界全体の約2割を占めるとされ、災害対応力の強化が喫緊の課題となっている。一方、非常時専用のロボットは導入や運用が進みにくく、平常時から活用できる「フェーズフリー」な技術の社会実装が求められている。

今回の研究開発では、平常時の業務利用を前提に設計したロボットに、非常時対応機能を組み込むことで、導入のハードルを下げる。研究期間中も検証と改良を重ね、部分的な成果については順次、現場への適用を進める方針だ。

推進体制は産学連携。早稲田大学がロボットのハードウェアおよびAIに関する要素技術の研究開発を担い、三菱電機が事業活動を通じた活用ソリューションの社会実装を担当する。清水建設は研究開発全体のとりまとめ役として、建設現場や災害対応の知見を生かした実証を進める。

研究代表者を務める早稲田大学理工学術院の菅野重樹教授は、「これまでムーンショット型研究開発事業などで培ってきたスマートロボットのマニピュレーション技術やAI実装の成果を高度化し、フェーズフリーロボットとして実装することで、被災地支援に貢献したい」とコメントしている。

産業利用と防災・減災を一体で捉えるフェーズフリーの考え方は、ロボット分野における新たな市場創出につながる可能性がある。3者の連携による実証と社会実装の進展が注目される。

ニュースリリース

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