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大阪ソーダ、医薬品精製用シリカゲル製造設備を増設、尼崎と松山工場に100億円超投資

大阪ソーダ(大阪市北区)は12月17日、医薬品精製用シリカゲルの需要拡大に対応するため、尼崎工場(兵庫県尼崎市)および松山工場(愛媛県松山市)で製造設備を新増設すると発表した。2028年2月までに製造能力を現有能力の約2倍へ引き上げる。

投資対象は、世界シェア約70%を占める医薬品精製用シリカゲルの生産設備で、医薬品の分析・精製工程で広く使用されている製品群。近年は糖尿病治療薬に加え、肥満治療薬という新たな市場の拡大を背景に需要が急速に拡大している。

同社はこれまで、50億円超を投じて松山工場の新増設および尼崎工場の第2期増設を実施。尼崎工場の増設については当初計画を1年前倒しし、2025年度には2023年度比で約2倍となる製造能力体制を整備済みとしている。

一方、肥満治療薬分野では先行製薬企業による大規模設備投資が進行しているほか、中国やインドなど新興国において後発参入やバイオシミラーの開発が加速している。同社はこうした市場環境を踏まえ、医薬品精製用シリカゲルの需要予測を見直し、2025年度以降2030年度までの年平均成長率を約20%へと上方修正した。

この前提のもと、2028年頃には需要が現有能力を上回る可能性が高まったことから、今回、総額100億円超に及ぶ戦略投資の実施を決定。尼崎工場と松山工場の両拠点で段階的に設備を拡張し、安定供給体制の強化とグローバル市場での競争力向上を図る。

同社は、糖尿病治療薬および肥満治療薬市場を中心とした需要増加に対応するとともに、医薬品原材料の安定供給を通じて、健康長寿社会の実現に貢献していく方針としている。

<設備増設の概要>
対象工場:尼崎工場(兵庫県尼崎市大高洲町11)、松山工場(愛媛県松山市北吉田町77
製造能力:約2倍(現有能力比)
投資金額:100億円超
完成時期:尼崎工場 2027年11月(予定)、松山工場 2028年2月(予定)

ニュースリリース

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