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日立建機、京都御苑で電動建機の試行工事に参画

・環境省直轄で初採用、可搬式充電設備の有効性を実証

日立建機は12月23日、12月1日から22日にかけて、環境省が実施した国民公園「京都御苑」の駐輪場整備工事において、8トンクラスのバッテリー駆動式ショベルZE85と可搬式充電設備「Go-ENE」を提供し、試行工事に参画したと発表した。環境省直轄工事で同社の電動建機が採用されるのは今回が初めて。

今回の試行工事は、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」目標達成に向けた取り組みの一環。環境省主導のもと、充電用電源が確保困難な条件下での電動建機運用フローの有効性を検証することを目的に実施された。

検証では3つの重要な知見が得られた。第一に、充電用電源が未整備のエリアでも可搬式充電設備を活用することで、場所を選ばない効率的な充電環境の構築が可能であることを確認。景観保護などで固定式設備の設置が制約される場所でも、作業現場近くでの充電により移動距離を最小限に抑えられた。

第二に、内燃機関を持たない特性により、排気ガスと騒音が軽減され、来苑者の快適性を維持しながらの施工が実現。エンジン音がないため作業員同士の声掛けや合図が明瞭になり、安全性向上にも寄与した。

第三に、基本性能と実用性を確認。オペレーターからは「積み込み作業のような高負荷作業でも掘削力の低下を感じることなく円滑に作業を完遂でき、都市土木現場における機材として十分に実用的」との評価を得た。

工事では、バッテリー駆動式ショベルZE85で地面の表面を削り平らにならす鋤取り作業と、残土のダンプトラックへの積み込み作業を実施した。充電設備の「Go-ENE」は九州電力と日立建機が共同開発したもの。

日立建機グループは今回得られた知見を活かし、環境省や関係各所と連携しながら、公共工事におけるカーボンニュートラル施工の普及促進に貢献していく方針。

なお、同社は2027年4月1日付で商号を「ランドクロス株式会社」に、コーポレートブランドを「LANDCROS」に変更する予定としている。​​​​​​​​​​​​​​​​

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