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ナブテスコ、イタリア鉄道子会社を独ファンドに譲渡

・欧州市場戦略を見直し、ブレーキ事業に経営資源集中

ナブテスコは12月19日、100%子会社のイタリア・Nabtesco Oclap S.r.l.(以下OCLAP社)の全株式を、ドイツの投資会社DUBAG Investment Advisory GmbH(ミュンヘン市、Dr. Michael Schumann社長)が運用助言を行うLenbach Equity Opportunity Ⅲ. GmbH & Co. KG(LEOⅢファンド)に譲渡すると発表した。同日付で株式譲渡契約を締結し、2026年2月に譲渡を実行する予定。

OCLAP社はイタリア・トリノ県ピシーナに拠点を置き、鉄道車両用ドアシステムとプラットホームスクリーンドア(PSD)を手がける。売上高は13.5百万ユーロ。ナブテスコは2013年に同社を買収し、欧州における鉄道車両用ドアシステムの販路拡大を進めてきた。

今回の譲渡について同社は、事業ポートフォリオマネジメントの一環と説明。欧州の鉄道産業は堅調に成長を続けているものの、新型コロナウイルス流行後のコスト増に加え、欧州大手メーカーとの厳しい競争環境が続き、収益改善が課題となっていた。鉄道カンパニーの経営資源配分と中長期的な欧州市場戦略を検討した結果、事業再建に強みを持つDUBAG社傘下での成長がOCLAP社にとって最適と判断したという。

譲渡先のLEOⅢファンドは、ミュンヘンを拠点とする投資会社で、資本金は80百万ユーロ。Emanuel Cattanei氏が代表を務める。DUBAG社は「価値の再創造」方針のもと、事業再建が必要な企業への投資を得意としている。

ナブテスコの鉄道カンパニーは今後、欧州市場ではブレーキ事業に注力する方針。引き続き顧客ニーズに応えていくとしている。

なお、同社は本株式譲渡による連結業績への影響は現時点で軽微としているが、開示すべき事項が生じた場合は速やかに公表する予定。

ニュースリリース

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