kikai-news.net

大阪有機化学、酒田工場に100億円投資

・先端半導体材料の生産体制強化、2拠点体制でBCP確立へ

大阪有機化学工業(大阪市中央区)は12月22日、山形県の酒田工場において半導体関連材料の新規製造設備を建設すると発表した。投資額は約100億円で、2026年着工、2028年完成を予定している。

■AI需要拡大を見据えた戦略投資

今回の設備投資は、AIや高性能デバイスの進展に伴う半導体市場の成長を見据えたもの。半導体の微細化・高集積化が進む中、対応する材料の開発と安定供給体制の構築が業界全体の課題となっている。

同社は中期経営計画「Progress & Development 2030」(2024年12月~2030年11月)の下、既に中量実験室の建設や約80億円規模の生産設備稼働を通じて先端半導体用材料の開発・生産体制を段階的に強化してきた。

■生産能力拡充と高純度化技術の向上

新設備では生産能力のさらなる拡充に加え、高純度化技術の向上を図る。これにより先端半導体用材料の市場シェア拡大と事業発展を目指す方針だ。

■2拠点生産体制でリスク分散

注目されるのは、金沢工場と酒田工場の2拠点生産体制の確立だ。これによりBCP(事業継続計画)を強化し、災害や不測の事態にも対応できる安定した供給体制を構築する。半導体材料のサプライチェーン強靭化が求められる中、顧客企業にとっても安心材料となりそうだ。

同社によると、設備完成が2028年予定のため、当期の連結業績への影響は軽微としている。

<設備概要>
∙ 所在地: 山形県飽海郡遊佐町藤崎字茂り松157-23
∙ 対象商品: 半導体関連材料
∙ 投資額: 約100億円
∙ スケジュール: 2026年着工/2028年完成予定

ニュースリリース

モバイルバージョンを終了