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加藤製作所、110t吊りオールテレーンクレーンをモデルチェンジ

・欧州Stage V対応エンジン搭載の新型「KA-1100R」を発売、安全性・作業性を強化

加藤製作所は12月16日、110t吊りオールテレーンクレーンの新型モデル「KA-1100R」の販売を開始したと発表した。従来機の性能を継承しつつ、安全性や作業性を高めたほか、欧州の最新排出ガス規制(Stage V)に適合した新エンジンを搭載し、環境対応を強化した。

新型「KA-1100R」は、環境性能と安全性能の両立を開発テーマにモデルチェンジを実施。動力源にはダイムラー製(Daimler)のStage V対応エンジンを採用し、尿素SCRとDPFを一体化した後処理装置を新たに搭載した。粒子状物質(PM)の除去性能を高め、排出ガスとススの低減を図っている。最高出力は340kW(1,600min⁻¹)、最大トルクは2,200N・m(1,300min⁻¹)を確保する。

また、国土交通省の「低騒音型建設機械」の指定を取得し、市街地や住宅地での作業にも配慮した。

安全面では、左折時の巻き込み事故防止を目的に側方衝突警報装置を新たに標準装備。レーダーにより左側方の自転車や歩行者を検知し、衝突の恐れがある場合に警報やランプ表示で運転者に注意喚起する。加えて、周囲の明るさを感知して自動点灯するLEDヘッドライトのオート機能も標準化し、走行時の安全性を高めた。

クレーン性能では、6段高剛性各段ピンロックブームを採用し、最大吊上げ能力110t、最大ブーム長51.3m、最大作業半径48mを実現。3段SLジブ装着時には最大作業半径57.7m、最大地上揚程72.3mまで対応する。

キャリヤには、同社が独自開発した4軸クレーン専用キャリヤを採用。電子制御リヤステアリングシステムにより、走行速度に応じた操舵角制御を行い、直進安定性と小回り性能を両立した。ステアリングは5モードを用意し、狭隘現場での取り回し性を向上させている。全輪にはフルエアーディスクブレーキを採用し、放熱性とメンテナンス性を高めたほか、ブレーキパッド残量警報装置も装備した。

キャブ内はワイド化され、運転席と助手席間のウォークスルーが可能。エアサスシートや格納式ベッド、新型エアコンの採用により、長時間作業時の快適性にも配慮した。整備性の面では、高精度リターンフィルタエレメントを新たに標準装備し、油圧回路の清浄度向上とフィルタ寿命の延長を図っている。

加藤製作所は「業界トップレベルの安全性の実現と、環境に配慮した製品ラインアップの拡充を進めていく」としている。

<商品概要>
・名称・型式:KA-1100R
・発売日:2025年12月
・標準小売価格:1億9,000万円(税別)から
・年間販売目標:12台

ニュースリリース

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