・利益は15.6%増と好調、シール部品が27.3%増で業界をけん引

中国液圧気動密封件工業協会(CHPSA)は12月5日、1〜10月の油圧・空気圧・シール部品業界の経済運営速報を公表した。業界の経済運営は概ね安定した進展を示し、企業の生産と運営は安定しており、主要経済指標の成長も良好に推移した。
同協会が主要連絡企業を対象にまとめた統計によると、1〜10月の受注額は前年同期比13.4%増の788億5,000万元(約1兆7,300億円)に達した。工業生産額、販売額ともに急速に増加し、国内需要も強化されている。
生産:シールが17.2%増で最高、空気圧も15.9%増と好調
1〜10月の分野別工業総生産額と伸び率(CHPSA統計)は以下の通り。
• 油圧:232億元(+6.9%)
• 流体動力機器:12億7,000万元(+4.1%)
• 空気圧:251億元(+15.9%)
• シール:292億6,000万元(+17.2%)
シール業界が17.2%増と最も高い伸び率を示し、空気圧も15.9%増と2桁成長を維持した。油圧は一桁台の伸びにとどまったものの、安定した推移を続けている。
利益:1〜10月は15.6%増、シールが27.3%増で収益性向上
1〜10月の利益総額は88億7,000万元(約1,950億円)となり、前年同期比15.6%増と高い伸びを記録した。効果と利益の基盤は着実に回復しているという。
分野別利益額と伸び率:
• 油圧:24億1,000万元(+8.8%)
• 流体動力機器:7,000万元(−40.4%)
• 空気圧:21億3,000万元(+6.8%)
• シール:42億6,000万元(+27.3%)
シール業界が27.3%増と突出した伸びを示し、業界全体の収益性向上をけん引した。一方、流体動力機器は40.4%減と大幅なマイナスとなった。
なお、国家統計局のデータによると、2025年10月の機械産業の生産者向け工場出荷時価格は前年同期比1.7%下落し、14か月連続で下落幅が国内産業平均を下回った。全国工業生産者物価(PPI)は前年同期比2.1%下落したものの、下げ幅は9月より0.2ポイント縮小し、3か月連続の縮小となった。前月比では0.1%上昇し、今年初の上昇に転じた。
貿易:輸出入総額は5.9%増、成長率は鈍化傾向
1〜10月の油圧・空気圧・シール製品の累計輸出入額は105億9,000万米ドルで、前年同期比5.9%増となった。貿易黒字は5億8,000万米ドルを記録した。
業界別輸出入額:
• 油圧:46億7,000万米ドル
• 空気圧:31億9,000万米ドル
• シール:27億3,000万米ドル
協会は、累積輸出入額は成長を維持しているものの、成長率は鈍化傾向にあると指摘している。
業界見通し:国内需要が堅調も価格環境には注意
協会は、1〜10月の業界動向について「経済運営は概ね安定した進展の好調を示し、主要経済指標の成長も良好」と評価。特に国内需要の強化と利益成長率の上昇を前向きな要因として挙げている。
より詳細な統計データおよび経済運営分析については、協会統計部への申請で閲覧可能としている。