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JLG、IoTフリート管理機能を拡張、デジタルアクセス制御と無線ソフト更新に対応

JLG(ジェイエルジー/JLG Industries, Inc.):2025年12月2日

高所作業車やテレハンドラを手掛けるJLGは12月2日、同社のIoTプラットフォーム「クリアスカイ・スマートフリート(ClearSky Smart Fleet)」に新機能を追加すると発表した。今回搭載されるのは、機体操作権限を遠隔で制御するデジタルアクセス制御(Digital Access Control)と、機体ソフトウェアを現場へ出向くことなく更新できる無線アップデート機能(Over-the-Air Machine Software Updates)の2つ。いずれもJLG機に搭載される単一通信ビーコンを通じて提供される。

同機能追加により、利用者は従来手作業で行っていた運用管理や機体設定作業を、アプリやウェブ経由で実行できるようになる。JLGは同機能を「単なるデータ収集から、作業アクションまで踏み込むデジタルフリート管理」と位置づける。

同社コネクテッドソリューション担当ディレクターのアラ・エッケル(Ara Eckel)氏は、「今回の拡張は、接続性の提供にとどまらず、行動を促す仕組みへ進化する重要な一歩だ」とコメントしている。

■デジタルアクセス制御:アプリで操作権限を管理

新機能「デジタルアクセス制御」では、スマートフォンアプリを通じて機体操作の可否やモード設定を管理できる。現場でのテンキー入力や物理キー操作は不要となり、遠隔管理が可能となる。

■設定可能な機体状態は以下の3区分:• Restricted(ロックアウト):操作不可 • Creep Mode または Creep + Transport Mode(限定動作モード):低速・制限付き動作 • Unrestricted(フルアクセス):全機能利用可能

将来的には、権限管理や現場単位のアクセス設定にも対応する計画としている。

■無線ソフトウェア更新:保守作業を大幅効率化

もう一つの新機能である無線アップデートでは、ANSI更新義務に伴う機体ソフト更新作業を遠隔化できる。従来は技術者が現場でPC接続し、機体ごとに再設定が必要だった。

今回の対応により、保有者や技術者は以下の作業を遠隔実施できる:
• Webまたはアプリ経由で更新データを機体へ送信
• 同一現場で複数機を同時にアップデート
• ビーコン内部メモリにより機体設定(パーソナリティ)を自動復元

エッケル氏は「不要な現場作業を省き、IoTが当然提供すべき時間効率を実現した」と述べ、アクセス機材分野ではJLGが初の商用化企業となる。

■IoTフリート管理ソリューションとして進化

クリアスカイ・スマートフリートはすでに遠隔診断やステータス監視機能を実装しており、今回の更新により、装置管理から現場管理へ領域を広げるとJLGは説明する。

エッケル氏は最後に「新機能は、クリアスカイ・スマートフリートを単なるデータ収集ツールから、日々の機器運用を支援する実務型デジタルツールへと進化させるものだ」と強調した。

本機能の詳細は smartfleet.jlg.com、同社製品情報は JLG.comで確認できる。

■企業概要

・JLG Industries, Inc.
高所作業車(MEWP)、テレハンドラ、アクセサリー製品の設計・製造・販売を行う世界大手メーカー。親会社はオシュコシュ(Oshkosh Corporation)。

・Oshkosh Corporation(オシュコシュ)
用途別特殊車両・装備を手掛け、世界150カ国以上に製品提供。従業員数約1万8,000人。

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