ABB:2025年12月5日
今回の発表は、同社が1992年に最初の拠点をアルマトイ(Almaty)市に開設して以来、継続的に市場拡大と事業基盤を構築してきた節目と位置付けられる。1995年に法人登録を完了し、本格的な事業展開が始まった。
同社はこれまで、鉱山機械向けギアレスミルドライブ(Gearless Mill Drives、GMD)を含む電動化ソリューション、低圧ドライブ、配電・保護機器、制御システムABBアビリティ(ABB Ability) System 800xAなどを導入し、稼働監視、遠隔サービス、ライフサイクルサポートまでを一体で提供してきた。
■主な事業ハイライト
• 2005年:鉱業・エネルギー向けサービス専任部門を開設
• 2017年:アスタナ国際博覧会(Expo 2017 Astana)で電動化・自動化技術を提供
• 2020年:新本社オフィスとABBユニバーシティ トレーニングセンター開設
• 2021〜2022年:現地エンジニアが国際認定を取得、24時間対応のGMD遠隔監視サービス開始
• 2025年:30周年を機に記念イベントや産業向けセミナーを開催
■教育投資と持続可能運営へ
ABBは現地技術教育にも注力しており、アルマトイ電力大学(AUES/Energo University)と連携し、自動化実習ラボを設置。若手技術者育成やインターン制度強化により、同国産業界の人材基盤形成に寄与している。
環境面では、アルマトイ事業所において再エネ証書(I-REC)による電力消費相殺を達成。紙・電池に加え、プラスチック、アルミ、ガラスを対象としたリサイクル制度を導入するなど、運営面での脱炭素化を推進している。
■地域社会との結びつき強化
同社は記念式典、家族参加型イベント、マラソン大会、サッカー大会などの開催を通じ、従業員との一体感を高めている。30周年イベントでは全社員が参加し、メッセージを収めたタイムカプセルを制作、35周年に開封される予定。
記念式典で、ナタリア・グロモワ(Natalija Gromova) ABBカザフスタン法人社長は次のように述べた。
「ABBは強く、前進し続ける機関車のような存在です。30年は通過点であり、今後50年、100年へ向けて確かなスピードで未来へ進んでいきます。」
■今後の方向性
同社は今後、カザフスタン市場において産業電動化・自動化・スマート化への投資を継続し、設備稼働率や生産性向上、脱炭素化に向けた顧客支援をさらに強化する方針。
引き続き、同社はモノづくり基盤産業の競争力向上を支援し、地域社会・産業界のデジタル化と持続可能な成長へ貢献していくとしている。