・入荷業務の自動化で人と機械の協働を最適化
ユングハインリッヒ(Jungheinrich):2025年12月4日
■入荷業務を支援するスマートロボット
ドゥラブルの物流センターは延床面積2万4,000㎡に及び、複雑なプロセスと高い柔軟性・効率性が求められている。入荷チームの負担軽減と処理能力向上を目的に、自律走行型の低床搬送車「EAE 212a」が採用された。
プロジェクトエンジニアのトーマス・コッホ(Thomas Koch)氏は「長い時間をかけて最適解を探した結果、ユングハインリッヒと協働でEAE 212aを導入することになった」と語る。現在、3台の車両が入荷品の搬送・仕分けを自動で行い、スタッフはトラックからの荷下ろしに専念できる体制が整った。その後の保管作業は、ユングハインリッヒ製「EKX(イーケーエックス)」ナローアイルトラックやリーチトラックで手動対応され、入荷から各通路への流れが途切れなく繋がる。
■人と機械の効率的な協働
同社のコンセプトは「人と機械の混在運用」。EAE 212aは人工的なランドマークを必要とせず、障害物を回避しながら倉庫内を自律走行する。3Dカメラと最新レーザー技術により、作業員や車両、識別困難な物体にも動的に対応可能だ。最大1,200kgの積載能力とインテリジェントなパレット認識機能を備え、大型荷や位置がずれたパレットも搬送できる。
コッホ氏は「協働は直感的かつ効率的。万一パレット位置が不適切で認識できない場合でも、ロボットが即座に人間に通知し、迅速に修正できる」と説明する。
■将来モデルとしての柔軟な自動化
ドゥラブルは新型EAE 212aのフィールドテストに初期から参加し、ユングハインリッヒと共同開発を進めた。実運用で得られた知見は量産モデルに反映されている。
ユングハインリッヒ モバイルロボット営業部長のヤン=フィリップ・グローベッカー(Jan-Philipp Grobecker)氏は「既存環境に容易かつ効果的に自動化を導入できる好例だ。インフラを全面的に変更せずとも、明確かつスケーラブルなロボティクス導入で効率向上を実現できる」と強調する。
■高効率・高可用性の電源システム
モバイルロボットは自動充電機能とリチウムイオン電源を備え、複数シフトで稼働。高性能バッテリーにより低消費電力と高稼働率を両立し、各車両は1シフトにつき最大1回の充電で運用可能。さらに、3台が互いに充電タイミングを調整し、業務中断を回避する仕組みも導入されている。
コッホ氏は「導入直後から稼働できたのは、透明性あるコミュニケーションと迅速なプロジェクト立ち上げのおかげ。今後もユングハインリッヒと追加の自動化ソリューションを検討したい」と述べている。
■会社概要
ドゥラブル(DURABLE Hunke & Jochheim GmbH & Co. KG)は、ドイツ・イーザーローンに本社を置くワークプレイス用品メーカーで、従業員数は約700名。職場環境の組織化に向けた革新的ソリューションを開発・製造し、2万4,000㎡の物流センターから世界各地へ製品を供給している。