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カナモト、2025年10月期は増収増益、純利益109億円で過去最高を更新

・売上は2.9%増の約2,133億円

建設機械レンタル大手のカナモトが12月5日に発表した2025年10月期の連結決算は、売上高が2,132億6,600万円と前年同期比2.9%増加し、本業のもうけを示す営業利益は173億6,900万円で同19.2%増、経常利益は179億5,100万円で同18.0%増となった。親会社株主に帰属する当期純利益は109億7,700万円で同21.8%増と大幅に伸び、過去最高益を更新した。1株当たり当期純利益は314円15銭で、前期の253円72銭から増加した。

◾️2025年10月期の経営概況

当期の経営環境について同社は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、物価上昇の継続や地政学的リスク、米国の通商政策の影響により、先行きは依然として不透明な状況が続いていると説明している。建設業界では公共投資が底堅く推移し、民間設備投資も堅調な企業収益を背景に持ち直した一方で、建設資材価格の高止まりや建設技能労働者の不足が長期化しており、厳しい環境が続いている。

こうした状況下、同社グループは中期経営計画「Progress 65」の実現に向け、成長戦略と資本効率の改善、DX戦略の強化、サステナビリティへの取り組みという3つの重点施策を着実に進め、持続可能な収益基盤の拡充に努めた結果、増収増益を実現した。

主力の建設関連事業では、公共工事の継続や都市再開発案件の進展により、地域ごとの需要動向は異なるものの、建設機械レンタルの需要が堅調に推移した。同社は収益性向上に向けた運用効率の改善や営業プロセスの高度化を進めるとともに、顧客ニーズに即した営業ツールの最適化を図るなど、さらなる事業成長につながる体制整備を推進した。

地域別の売上高は、北海道地区が前年同期比5.2%増、東北地区が同4.6%減、関東甲信越地区が同6.2%増、西日本地区が同8.0%増、九州沖縄地区が同2.4%増となった。中古建機販売については、レンタル用資産の運用期間の延長を進めつつ、期初計画に基づき売却を実施したことから、売上高は前年同期比7.8%増となった。この結果、建設関連の売上高は1,902億2,500万円で前年同期比3.3%増、営業利益は158億6,000万円で同22.6%増と大幅な増益となった。

その他のセグメントでは、鉄鋼関連、情報機器関連、福祉関連が事業ごとに差はあったものの、全体としては概ね見通し通りに推移し、売上高は230億4,000万円で前年同期比横ばい、営業利益は9億4,100万円で同13.6%減となった。

■今後の見通し
2026年10月期の連結業績予想については、売上高2,210億円で前期比3.6%増、営業利益187億円で同7.7%増、経常利益189億円で同5.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益114億円で同3.9%増を見込んでいる。1株当たり当期純利益は333円64銭を予想している。

来期の見通しについて同社は、国土強靱化や防災・減災対策、インフラ老朽化対応、防衛関連工事の進展により公共投資が底堅く推移し、民間でも都市再開発やデータセンター整備、サプライチェーン強靱化、カーボンニュートラル関連投資が継続することから、建設投資は堅調に推移すると予測している。ただし、建設資材・エネルギー価格の高止まりや労務需給の逼迫、建設業における時間外労働規制への対応など、供給面の制約は慢性的に続いており、事業環境には慎重な見極めが必要としている。

同社は中期経営計画の目標達成に向けて、有効的な資産投資や管理体制の強化に注力し、稼働率向上に向けた施策を継続する方針。また、現場の省力・効率化、安全対策及び環境対策等に適応する技術の開発や導入に加え、業務提携にも積極的に参画することで、高品質なサービスの提供と付加価値の向上に取り組むとしている。

カナモトの2025年10月期決算短信

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