・Matheson Tri-Gasと提携、2027年稼働予定
日機装は12月4日、同社の連結子会社グループであるClean Energy & Industrial Gases Group(以下CE&IGグループ)が、日本酸素ホールディングスの完全子会社Matheson Tri-Gas, Inc.(本社:米国テキサス州アービング)から、ネバダ州ラスベガスに建設する空気分離装置(ASU)の建設契約を獲得したと発表した。
■プロジェクト概要
■相乗効果を生む戦略的提携
特筆すべきは、CE&IGグループが本プラントから液化窒素を調達し、ラスベガスにある自社ポンプ製造施設で活用する点。同施設では、クライオジェニックポンプの性能試験を設置・導入前に実施しており、今回のプロジェクトにより試験用液化窒素の安定調達が実現する。
CE&IGグループのProcess Systems部門プレジデントであるジョージ・パパゲリス (George Pappagelis)氏は「このプロジェクトは、日機装CE&IGとMathesonとの数年にわたるパートナーシップの上に構築されている」とコメント。両社の専門知識を組み合わせることで、米国南西部地域における産業ガス供給体制の強化を目指す。
Matheson OnSiteバイスプレジデントのマーク・ウィアー (Mark Weir)氏は「米国南東部地域に拠点を置く顧客を支援するため、日機装と協力できることを大変うれしく思う」と述べた。
■Mathesonの米国ASU事業
業界誌gasworldによれば、Mathesonは現在、米国全土で42基のASUを運営している。これらの施設は合計で日量9,471トンの酸素、16,850トンの窒素、343トンのアルゴンを生産しており、同社最大のASUはルイジアナ州レイクチャールズに位置し、2019年に稼働を開始している。
■CE&IGグループについて
日機装の連結子会社グループであるCE&IGグループは、世界中で極低温機器・ソリューションを提供するリーディングカンパニーとして知られる。低炭素エネルギーや産業ガスに対する市場の変化に対応し、革新的な製品と協働型のソリューションで顧客ニーズに応えている。グループ全体で20カ国以上に拠点を持ち、1,800名以上の従業員を擁している。
本プロジェクトは、米国における産業ガス需要の拡大に対応するとともに、日機装グループの極低温技術における競争力をさらに強化する案件として注目される。