・世界最大級の液化水素基地が着工、2030年代の商用運用目指す
日本水素エネルギー(JSE)と川崎重工業は11月27日、川崎市扇島のJFEスチール敷地内で「川崎LH₂ターミナル」の起工式を執り行ったと発表した。貯蔵容量5万立方メートルの液化水素タンクを中核とする世界初の商用規模施設で、国際的な水素サプライチェーン構築に向けた重要な一歩となる。
■NEDO事業で商用化実証へ
川崎LH₂ターミナルには、世界最大級となる貯蔵容量5万立方メートルの液化水素貯蔵タンクのほか、海上荷役設備(出荷・受入両機能)、水素液化設備、水素送ガス設備、液化水素ローリー出荷設備を整備する。さらに今後建造予定の液化水素運搬船(容量約4万立方メートル)も世界最大級の規模となる。
■2030年度から本格運用
商用化実証では、2030年度までに川崎LH₂ターミナルと液化水素運搬船の運用を通じて、国際水素サプライチェーンの商用化要件である性能、安全性、耐久性、信頼性、経済性などを国内で検証する計画。
2030年度以降は、海外で製造した液化水素を専用運搬船で日本に輸入し、川崎LH₂ターミナルで受け入れ・貯蔵した後、国内の水素需要家への供給を本格化させる構想だ。将来の水素社会実現に向けた基盤インフラとして、業界内外から注目を集めている。
両社は今回のプロジェクトを通じて、脱炭素社会の実現と日本のエネルギー安全保障強化への貢献を目指すとしている。