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岡本硝子、放熱基板設備投資を本格始動、グリーンシート生産設備を増強

・増産体制構築へ第1弾、2027年4月に生産能力3倍へ

岡本硝子(千葉県柏市)は11月27日、協業を進めるU-MAP(愛知県名古屋市)と展開する窒化アルミニウム(AIN)放熱基板事業において、グリーンシート製造設備の増強を決定したと発表した。今回の投資は、同社が掲げる総額9億3,500万円の放熱基板量産体制構築計画の第1フェーズに位置づけられる。

今回の決議では、納入に約1年半を要するグリーンシート製造設備として、約3億円のシート塗工機を発注する。本機は既存設備の2倍のグリーンシート生産能力を持ち、放熱基板製造工程の上流強化を狙う。

同社は2025年10月に放熱基板の量産出荷を開始しており、現在は市場動向を踏まえながら段階的に増強を進めている。今後はセラミック焼成炉の増設など、残る設備投資計画を順次実施し、2027年4月には現行比3倍の体制へ移行する計画だ。

用途については、すでに出荷済みの半導体部品向け基板に加え、需要拡大が期待される半導体本体や半導体製造装置向けへと展開を広げる。半導体製造装置分野では高熱負荷対応部材としてAIN基板の重要性が高まっており、同社では今後の拡販余地は大きいと見ている。

■プロジェクト概要
投資対象:窒化アルミニウム放熱基板製造設備
投資額:総額9億3,500万円(今回決定分:3億円)
設備内容:グリーンシート製造用シート塗工機(既存比2倍能力)
納入予定:発注から約1年半
量産開始:2025年10月(既に開始済み)
最終計画:2027年4月までに生産能力3倍化

半導体需要の再拡大や電動化・EV普及に伴う放熱部材の需要増加に対応し、同社は本事業を成長ドライバーと位置づける。今後も生産能力強化と製品ラインナップ拡充を並行しながら、国内外市場での競争力向上を図る。

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