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リープヘル、自律走行・自己バランス型運搬車両「S1ビジョン」を開発

・単軸構造で小型化を実現、建設・鉱山・農業・物流分野での活用目指す

リープヘル(Liebherr):2025年11月25日

リープヘル(Liebherr)グループから派生した革新的なスピンオフ企業、S1ビジョンGmbH(S1 Vision GmbH)は、自律走行型バッテリー駆動運搬ソリューションの新世代となる「S1ビジョン(S1 Vision)」を開発中だ。同社CEOのアルタン・エンギナレフ(Altan Enginalev)氏が、このプロトタイプがいかに建設、鉱山、農業、物流分野における資材運搬に革命をもたらす可能性があるかを語った。

■必要最小限に絞り込んだ単軸構造

S1ビジョンの特徴は、必要最小限まで絞り込んだ単軸自律走行ダンプトラックであることだ。1本の車軸に2輪を配し、運転席を完全に排除することで、コンパクトで機動性が高く、極めて効率的な車両を実現した。

積載能力は220キログラムから131トンまでと幅広く、多様な産業での活用が可能だ。例えばワイン栽培分野では、ブドウの木の間を自律走行し、収穫物を運搬できる。またダンプベッド以外の装備にも対応可能で、用途に応じて牽引、運搬、けん引など様々な形態での使用が想定される。物流センターでの重量部品の搬送や、空港での手荷物カートの自律牽引なども可能で、将来的な資材運搬における汎用ソリューションとなる可能性を秘めている。

■自己水平維持システムと超信地旋回を実現

技術面では、不整地でも最大限の安定性と安全性を確保する自己水平維持システムを搭載している。超信地旋回機能により、その場で旋回できるため、限られたスペースでの作業現場で特に有効だ。

バッテリー駆動技術により排出ガスゼロの運転を実現し、運転コストも低く抑えられる。さらに高度なセンサーとデジタル部品を装備しており、将来的には1つのデジタルエコシステム内で複数の車両が相互に通信し、協調動作することを目指している。これにより自律群制御技術とネットワーク化された物流プロセスへの道が開かれる。

■グループ横断の知見を結集

S1ビジョンの開発は、リープヘルの異なるコンピテンスセンター間の緊密な協力によって実現した一例だ。車体は鉱山機械製品部門から、自律走行技術は土工機械部門から提供されている。新設されたS1ビジョンGmbHは本質的にスピンオフ企業だが、グループ全体のリソースと専門知識を活用している。

今後の目標は、S1ビジョンの迅速な商業化と技術的進歩だ。新しい群制御技術のテストや、異なる応用分野への適応に注力する。S1ビジョンGmbHは現在、コンセプトの開発と新市場開拓に向けて協力できるパートナーや顧客を積極的に募集している。​​​​​​​​​​​​​​​​

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