・欧州市場向け供給体制を強化、電動モデル含む混流生産ライン構築へ
ボルボCE(Volvo Construction Equipment):2025年11月24日
同社は今年6月、油圧ショベル事業強化に向けた世界規模の投資計画を公表しており、今回の工場計画はその一環に位置づけられる。新設工場は敷地面積約30,000平方メートルで、欧州市場の需要増に応じた生産能力拡張と柔軟性確保を図る。これにより、輸送距離と納期短縮、物流リスクの低減、さらにはCO₂排出削減によるサプライチェーンの強靭化を実現する。
メルカー・イェンベルグ(Melker Jernberg)氏(ボルボCEトップ)は次のようにコメントした。
「今回の戦略投資は、当社の油圧ショベル事業における新たなフェーズを象徴するものであり、スウェーデン製造業全体の競争力向上にも寄与する。高付加価値生産をエスキルステューナに追加することで、雇用創出、技能継承、研究開発ネットワーク強化につながり、グローバル市場での欧州産業競争力をさらに高めることができる」。
投資額は7億スウェーデンクローナ(約112億円、16円換算)。新工場では、14~50トンクラスの中・大型クローラ式油圧ショベルを対象に、電動モデルと内燃機モデルを同一ラインで生産する混流方式を採用。年間最大3,500台の生産能力を見込む。なお、この投資は、韓国・スウェーデン・米国を含む総額25億スウェーデンクローナ(約400億円)の油圧ショベル製造能力強化プログラムに含まれている。
立地選定理由について、イェンベルグ氏は「物流アクセス、土地条件、既存拠点との連携性、顧客対応の最適性を総合評価した結果、エスキルステューナが最適だった」と説明。また、同氏は今後、同国での既存生産体制との統合・追加投資の可能性にも言及した。
工場建設は、環境認可および建設許可取得が前提。着工は2026年前半、稼働開始はプロジェクト開始から約2年後となる見込み。