コマツは11月21日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する「宇宙戦略基金事業」第二期の技術開発テーマで、立命館大学などと共同提案した「月面拠点建設を実現するための測量・地盤調査技術の確立」が採択されたと発表した。代表機関である立命館大学(研究代表者・小林泰三教授)の連携機関として参画する。
これを踏まえ、課題では高精度の地形データ取得とレゴリスの土質特性・地層構造の把握に向けた「測量・地盤調査システム」の開発を進める。コマツは、地盤調査システムを月面の調査地点へ展開・設置するロボット機構を担当し、整地・転圧・掘削の一連作業を実施できるバケット搭載型の機構を開発する。ロボットアームやモーター・減速機にかかる負荷、画像データなどは地盤モデルの高度化や設計・施工システムへ反映され、将来の月面建設機械標準化に向けた基盤データとなる見通しだ。
コマツは2021年に国土交通省・文部科学省の「宇宙無人建設革新技術開発」に選定されて以来、デジタルツインを活用した掘削シミュレーションなど、月面建設機械の研究開発を継続してきた。極限環境を再現した技術検証を通じて蓄積した知見も活かし、本課題を通じて月面開発に寄与するとともに、将来の月面インフラ構築に向けた建設機械・無人施工技術の開発を一段と推進する方針。