・フォーテスキュー(Fortescue)のプロジェクトで設備据え付けが本格化
メッツォ(Metso):2025年11月18日
メッツォは11月18日、オーストラリア西部ピルバラ地域でフォーテスキュー(Fortescue)が推進する「クリスマス・クリーク グリーンメタルプロジェクト(Christmas Creek Green Metal Project)」において、同社がプロセス設計と主要技術を提供し、2025年9月から設備据え付けが開始されたと発表した。
■ 再生可能エネルギーと水素還元を組み合わせた“次世代製鉄”を実証
フォーテスキューの金属・オペレーション部門CEO、ディノ・オトラント(Dino Otranto)氏は「グリーンメタルは、豪州の鉄鉱石産業にとって大きな成長機会です。クリスマス・クリークプロジェクトでは、メッツォのサーコレッド(Circored™)技術やDRI溶融炉と、当社のプロジェクト遂行力を組み合わせ、低排出型製鉄の実現に向けた道を切り開きます」と述べた。
初期段階では、年産1,500トン超の生産規模で運用され、商業規模の設備建設に向けた検討も進められている。
■ 微粉鉱石対応・ペレット不要の革新的DRIプロセス
メッツォ フェロス&熱移動部門バイスプレジデントのアタウル・アーメド(Attaul Ahmad)氏は次のように説明する。
「本プロジェクトで採用されるサーコレッド(Circored™)およびDRI溶融ソリューションは、持続可能で効率的な工業プロセスの進化を象徴するものです。サーコレッド(Circored™)は化石系還元剤を使用せず、グリーン水素のみで還元を行います。ペレット化を必要としない流動床プロセスにより、高度に金属化したDRIを生産し、それを電気溶融炉に直接投じることでカーボンフリー製鉄が可能になります。」
■ ピルバラ産低〜中品位鉱石の活用拡大にも寄与
メッツォ溶融部門バイスプレジデントのユルキ・マッコネン(Jyrki Makkonen)氏は次のように述べた。
「電気式溶融炉(ESF)による低排出製鉄ルートは、ピルバラ(Pilbara)地域に豊富に存在する低〜中品位鉄鉱石に非常に適しています。従来、ガング(脈石)含有量が高くDRIプロセスでは利用が難しかった鉄鉱石を、グリーンアイアン製造に活用する道を開くことが当社技術の目標です。クリスマス・クリーク(Christmas Creek)現地では基礎工事が完了し、9月に最初の機器据え付けが開始されており、DRI溶融炉が着実に形になりつつあります。」
■ メッツォ(Metso)について
メッツォは、骨材(Aggregates)・鉱物処理(Minerals Processing)・金属精錬(Metals Refining)分野に向けた持続可能技術とソリューションをグローバルに展開するメーカー。顧客のエネルギー・水効率の改善、生産性向上、環境リスク低減を支援し、持続可能な産業変革のパートナーとして位置付けられている。
本社はフィンランド・エスポー(Espoo)にあり、2024年末時点で約50カ国に約1万7,000名の従業員を擁する。2024年の売上高は約49億ユーロ。ナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)に上場している。