
同社によると、物価上昇と金利の高止まり、地政学情勢の混迷、米国高関税政策発動に伴う世界貿易の混乱などにより、世界の建設機械市場は不確実性が高まる経済情勢の下で調整基調が続いた。こうした環境下で、収益構造改革や人的組織能力の向上、競争戦略の再構築などに取り組んだという。
■地域別売上高
海外:全体で14.0%減の66億7,300万円
– 北米:ディーラ在庫調整が続く中、高関税政策導入により販売減速し、17.6%減の31億1,800万円
– アジア:インドネシアと中国で販売停滞も、ベトナム、マレーシアで底入れ基調となり、9.9%減の31億800万円
– その他市場:大洋州、アフリカで減速も中南米で市場開拓進展し、14.9%減の4億4,600万円
■所在地別セグメント
日本:売上9.3%減の98億2,800万円、営業利益300万円(98.9%減、グループ向け製品・部品輸出減が影響)
米国:売上17.3%減の31億3,300万円、営業利益2億9,500万円(51.6%減、販売減少と輸入関税による原価上昇)
インドネシア:売上1.7%増の30億4,100万円、営業利益4億円(42.8%増、第三国向け輸出が回復基調)
中国:売上39.7%減の4億8,800万円、営業損失900万円(グループ向け輸出減とサプライチェーン修正)
■通期見通し
世界の建設機械市場は、短期的には調整局面が続くものの、中長期的には日米の大型インフラ投資計画や新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、老朽化インフラの更新需要などにより、景気循環を経て底入れするものと予想している。
足下では、日本に対する米国関税の決着、高市新政権発足と日米同盟強化、地域紛争終結、欧米諸国の金融緩和路線への転換などにより、事業環境の底入れが期待されるものの、先行きには予断を許さない状況としている。
こうした中、米国向け関税対応とサプライチェーンの修正、収益構造と人的組織能力の強化、競争戦略の再構築、ものづくり品質の底上げなど、需要調整期に経営の基礎基盤を固め直し、市場回復期に向けた企業体質づくりを進める方針。
2026年3月期の通期連結業績予想は、米国、インドネシア等における需要停滞傾向を踏まえ、売上高を前回予想から6.7%減の280億円(前期比0.5%増)に下方修正した。一方、利益については売上高減少と米国関税及び仕入原価上昇に対して収益構造改革を進めていることから、営業利益12億5,000万円(前期比21.1%減)、経常利益12億5,000万円(同16.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9億円(同37.3%減)で前回予想を据え置いた。