・中国ウーハンと協業、2029年完成予定
東洋エンジニアリング(TOYO)は11月12日、同社独自の尿素造粒ライセンスがカザフスタン共和国で初めて建設される尿素プラントに採用されたと発表した。エンドユーザーは現地化学肥料メーカーのKazAzot Prime LLP(カズアゾット)で、設計・調達・建設工事(EPC)は中国のWuhuan Engineering Co. Ltd.(ウーハン)が担当する。
■プロジェクトの枠組み
TOYOはライセンサーとして、ライセンス供与、Process Design Package(PDP)の作成、主要機器の調達、技術サービスを提供する。対象設備は日産1,750トン規模の尿素造粒設備で、完成は2029年を予定。生産された尿素は肥料用途に供され、同国の農業生産基盤強化に寄与する見込みだ。
■採用の背景
TOYOはこれまでに100件以上の尿素技術供与とプラント建設実績を有し、ウーハンとの協業経験も豊富である。こうした技術力と実績が評価され、今回のライセンス採用につながった。カザフスタンにおける初の尿素プラントという節目の案件に、同社技術が選ばれたことは、同国の肥料供給体制強化に向けた重要な一歩といえる。
■今後の展望
TOYOは「尿素技術のライセンサーとして培ってきた技術力を通じ、カザフスタンの食糧供給安定化に貢献していく」としており、同社のグローバル展開の中でも肥料分野における存在感をさらに高めることが期待される。
<プロジェクト概要> 項目/内容
エンドユーザー:KazAzot Prime LLP
ライセンス発注者:Wuhuan Engineering Co. Ltd.(ウーハン)
尿素造粒ライセンサー:東洋エンジニアリング株式会社
建設計画地:カザフスタン・Aktau
対象設備:尿素造粒(日産1,750トン)
役務内容:ライセンス供与、PDP作成、専用機器調達、技術サービス
完成予定:2029年