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山善とソディック、独に合弁で射出成形機販社

・欧州市場開拓へ新会社、米国での成功モデル横展開

専門商社の山善と工作機械・射出成形機メーカーのソディックは11月12日、ドイツに射出成形機の販売・サービス会社を新設すると発表した。2026年4月の設立を予定する。両社が04年に米国で設立した合弁販売会社「Plustech Inc.」(イリノイ州)の100%子会社として設立し、米国市場で培った事業ノウハウを欧州市場に展開する。

新会社「Plustech GmbH」(仮称)はシュトゥットガルト市に本社を置き、欧州全域で射出成形機の販売とアフターサービスを手がける。資本金は50万ユーロ。代表者には加藤朗氏が就任する予定。
米国での20年超の実績を武器に
親会社となるPlustech社は山善51%、ソディック49%の出資比率で04年8月に設立。山善の販売力とソディックの技術力を組み合わせ、医療機器や精密電子部品産業向けの射出成形機事業で米国市場に事業基盤を確立してきた。
新会社設立の狙いについて山善は、Plustech社が20年以上かけて蓄積した技術情報、商材知識、事業運営ノウハウを欧州市場に水平展開することで、大きな事業拡大が見込めると判断したとしている。

高付加価値市場のドイツを起点に
設立地にドイツを選んだ理由として、射出成形機分野で高度な技術や耐久性など高付加価値が求められる市場特性を挙げた。新会社は販売・サービス拠点としての機能に加え、精密成形技術のテクノロジーセンターとしての役割も担う。EU各種規制への対応体制も整備し、欧州市場での事業拡大を図る方針だ。
 
山善は本年度から3カ年中期経営計画で「グローバル展開の加速」を戦略ポイントに掲げており、今回の新会社設立はその一環。海外事業では「経営の現地化」「ターゲット市場の地理的拡大」「市場とビジネス業態の多様化対応」「仕入先企業との関係強化」を主要施策として推進している。

同社の海外事業は63年の米シカゴ事務所開設以来、60年超の歴史を持つ。現在は15カ国・地域に73拠点(25年9月末時点)を展開し、生産財専門商社として国内トップクラスのグローバルネットワークを構築している。全拠点にエンジニアを配置し、据付工事やアフターサービスのほか、アプリケーション提案、技術相談など幅広い技術支援体制を敷いている。
なお、今回の新会社設立による今期業績への影響はないとしている。

<新会社の概要>
社名:Plustech GmbH(仮称)
所在地:ドイツ連邦共和国 シュトゥットガルト
代者者:加藤 朗
事業内容:欧州全域における射出成形機の販売及びサービス
資本金:500,000 ユーロ
設立:2026 年4月予定
大株主及び持株比率 :Plustech Inc. 100%

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