・ろ過事業とアフターマーケット事業を大幅強化
パーカー・ハネフィン(Parker Hannifin):2025年11月11日
フィルトレーション・グループは米国に拠点を置く非公開企業で、マディソン・インダストリーズ(Madison Industries)の関連会社。2025年暦年の売上高は20億ドル(約3,080億円)を見込み、調整後EBITDAマージンは23.5%。世界中で約7,500人を雇用している。同社の売上の約85%がアフターマーケットで発生しており、複数の製品プラットフォームにわたって安定した収益基盤を持つ。
今回の買収により、パーカーは世界最大級の産業用ろ過事業を構築することになる。フィルトレーション・グループは、ライフサイエンス、空調・冷凍(HVAC/R)、プラント内産業機器などの市場で、独自のろ過技術と強力なブランド製品を展開。高度にエンジニアリングされた製品は独自のろ材を使用し、高い技術力と用途知識を活用している。
パーカーのジェニー・パーメンティア(Jenny Parmentier)会長兼最高経営責任者(CEO)は「この戦略的買収は、当社のポートフォリオ変革を継続し、売上成長を加速し、収益性を向上させる高品質事業への投資である」とコメント。「フィルトレーション・グループの補完的な能力と強力なアフターマーケット事業により、世界中の顧客へのサービス能力が強化される」と述べた。
パーカーは独自の事業システム「ウィン・ストラテジー(The Win Strategy)」を活用し、買収完了後3年目までに約2.2億ドルの税引前コスト・シナジーを見込む。
本買収は、パーカーの有機的成長、シナジー実現後のEBITDAマージン、調整後EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益)、キャッシュフローに対してプラスに寄与し、5年目までに高位一桁台の現金ROIC(Return On Invested Capital、投下資本利益率)を達成する見通し。
今回の買収により、パーカーのろ過事業におけるアフターマーケット売上比率は500ベーシスポイント上昇する。
フィルトレーション・グループのジョン・プラット(Jon Pratt)社長兼CEOは「パーカーの一員となることを楽しみにしている。両社のミッションクリティカルな先進ろ過技術により、世界の主要成長市場の顧客により幅広いソリューションを提供できる」と語った。
パーカー・ハネフィンはフォーチュン250社の一社で、69期連続で年間配当を増配しており、S&P500指数の中で上位5位以内の連続増配記録を持つ。