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国交省、軽油代替燃料活用の「ゼロエミッション促進モデル工事」を開始

・建機の脱炭素化へ先陣、HVOなど次世代燃料で現場からの直接排出削減目指す

国土交通省は11月12日、建設機械の脱炭素化を推進する「ゼロエミッション促進モデル工事」を実施したと発表した。2025年4月に策定した「土木工事の脱炭素アクションプラン」に基づく取り組みで、施工現場で稼働する建設機械に軽油代替燃料を活用し、現場からの直接排出削減を図る。

今回のモデル工事は、国道17号白山外電線共同溝その8工事(発注者:国土交通省、施工:戸田道路)で実施。油圧ショベルの稼働に軽油代替燃料を使用し、今後の本格展開に向けた調査・検証を行っている。

同省が4月に公表したアクションプランでは、CO2排出の過程を「直接的排出(Scope1,2)」と「間接的排出(Scope3)」に分類。建設機械については事業者として主体的に推進する方針を掲げ、エネルギー効率向上、次世代燃料の活用、施工効率化の3本柱で脱炭素化を進める。

次世代燃料としては、主に廃食油を原料とするFAME(脂肪酸メチルエステル)に加え、近年は植物油等を水素化分解したHVO(水素化処理植物油)の製造・利用が開始されている。モデル工事では、これらB20、HVO、合成燃料などの非化石燃料を軽油代替として使用。軽油との混合も可能だが、その場合は代替燃料を5%超の混合割合とすることを条件としている。

同省は2040年までに直轄工事における建設機械からのCO2排出量を2013年比で約6割削減する目標を掲げる。そのため、次世代燃料の活用促進のほか、2027年からはGX建設機械の使用原則化、2030年度を目途に燃費基準達成建設機械の使用原則化を段階的に進める計画だ。

海外では先行事例もある。スウェーデンのストックホルム市が発注した再開発事業では、大手ゼネコンのスカンスカと建機メーカーのボルボCEが連携し、「化石燃料を使わないプロジェクト」として建設を進めている。

今回の取り組みは、令和6年6月に改正された品確法で、公共工事における脱炭素化への寄与が明記されたことを受けたもの。地球温暖化対策計画でも、公共工事が脱炭素化に率先して取り組むことが求められており、国交省は直轄工事での先進的な取り組みを通じて建設業界全体の底上げを図る考えだ。​​​​​​​​​​​​​​

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