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リープヘル、1万台目となるホイールローダ「L 580 XPower」をベルガー社へ納入

・バイエルンの花崗岩採掘現場で稼働

リープヘル(Liebherr):2025年11月6日

リープヘルは、XPowerシリーズ1万台目の節目となるホイールローダ「L 580 XPower」を、ドイツ・パッサウ近郊のシュラーク花崗岩採石場で操業するベルガー・ロホシュトッフェ(BERGER Rohstoffe GmbH)へ納入した。引き渡しは2025年5月、オーストリア・ビショフスホーフェン工場(Bischofshofen)で行われた。記念機となる本機は、リープヘル独自のパワースプリット式駆動システム「XPowerドライブ」を標準装備し、高出力と高効率、耐久性を兼ね備える同社ホイールローダ技術の象徴である。

ベルガー社は同採石場で、年間約20万tのバイエルン森林産花崗岩をコンクリート用・道路舗装用砕石として加工している。L 580 XPowerは2025年春に完成し、同年5月より同社車両群に加わった。

ベルガー社技術運用責任者ミヒャエル・グルーバー(Michael Gruber)氏は「XPowerシリーズ1万台目を当社が使用できることを誇りに思う。リープヘルおよび販売代理のボイトラウザー(Beutlhauser)グループとの長年の協力関係が成果を生んだ」と述べ、「補修部品の供給やサービス品質も極めて優れている」と評価する。

■高効率駆動で採石現場の作業効率向上
L 580 XPowerは、破砕プラントへの岩塊投入から製品のストックパイル形成、トラックへの積込作業までを担う。また、油圧ブレーカを備えたリープヘル製クローラ式ショベル「R 934」と連携し、大塊の一次破砕を行う。粉塵が多く不整地が続く現場環境下でも高い積載処理能力を発揮し、耐久性にも優れる。

グルーバー氏は「生産性の高さ、ディーゼル燃費の良さ、扱いやすさの三拍子がそろっている。オペレータの評判も非常に良い」と話す。
XPowerドライブは、ハイドロスタティック(油圧)駆動とメカニカル(機械)駆動の両方式を自動的に切り替える独自構造で、作業内容に応じて最適化される。短距離での積込作業では油圧駆動が、高負荷の登坂走行や長距離移動時は機械駆動が優位に働く。このため、加速性能、牽引力、効率性いずれも高水準を維持し、同社採石場での総合的生産性を向上させている。

■頑強設計と快適性を両立した構造

XPowerシリーズは駆動系だけでなく、堅牢なZ字型リンク機構による高トルク出力も特長とする。低リフトアーム領域で強い掘削力を発揮し、バケットへの岩塊充填作業を容易にする。主要構成部品はすべてリープヘル社内製で、過酷な使用条件下でも高い信頼性を維持する設計となっている。

また、広いガラス面を採用した運転室は周囲視界を確保し、安全性と快適性を両立。花崗岩採掘という厳しい現場においても、オペレータの負担軽減と効率運転を実現している。

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