・精密散布による除草剤使用量50%削減、最大4.8bu/Aの収量向上を実現
ディア社(Deere & Company):2025年11月4日
同年、ジョンディアの顧客は非残効性除草剤の使用量を平均約50%削減。総計3,100万ガロン相当の除草剤混合液の節約に成功しており、雑草の発生圧が高く、降雨頻度も多かったシーズンにおいて、精密散布の有効性が改めて証明された。
■技術概要:高速・高精度の選択的除草
「See & Spray™」は2021年に市場投入された技術で、ブームに搭載されたカメラとオンボードプロセッサーにより、最大時速15マイルで毎秒2,500平方フィートの面積をスキャン。ジョンディア独自の「ExactApply™」システムを通じて、雑草を検知した箇所にのみノズルを作動させる。これにより、薬剤の無駄を省き、作物へのダメージを抑えつつ、収量向上にも寄与する。
同技術は、MY18以降のRシリーズおよび400/600シリーズの既存散布機に対するアップグレードキット、または新型ジョンディアおよびHagie製散布機への工場装着により導入可能。
■導入効果:収量向上と作物健全性の両立
ジョンディアは第三者機関および大学と連携し、米国7州(ミシシッピ州、ネブラスカ州、アーカンソー州、インディアナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、テネシー州)にて大豆を対象としたフィールド試験を実施。従来の全面散布と比較して、平均2bu/A、最大4.8bu/Aの収量向上が確認された。さらに、作物への薬害が軽減され、圃場の健全性と経済的収益性が向上した。
別途、Beck’s Hybrids社による独自調査でも、同技術による収量改善効果が実証されている。
■新制度:成果連動型料金保証とライセンス制度
2025年より、ジョンディアは「Application Savings Guarantee(成果連動型料金保証)」を導入。技術による節約効果が確認された場合のみ、1エーカーあたり1ドル(休耕地)または5ドル(作物栽培地)の使用料を課金する仕組みで、顧客価値の最大化を図る。
さらに2026年シーズンからは、使用頻度の高い顧客向けに「年間無制限ライセンス」制度も開始。シーズン中の運用計画を簡素化し、意思決定の柔軟性を高める。
■機能強化:2025年版ソフトウェアアップデート
2025年の生育期には、無償のソフトウェアアップデートにより以下の新機能が追加された:
- キャノピー上部の雑草・ボランティアコーンへの選択的散布機能
- 20インチ以上のトウモロコシ列間隔への対応拡張
- Premium版での最大時速15マイルの高速散布対応
■企業情報
ジョンディアは、農業・建設・林業・芝管理・動力システム分野において、200年近くにわたり革新を続けるグローバル企業。食料・繊維・燃料・インフラの生産を支える技術提供を通じ、世界中の人々の暮らしに貢献している。