ヘリオス・テクノロジーズ(Helios Technologies):2025年11月3日
フロリダ州サラソタ発 — 高度エンジニアリングによるモーションコントロールおよび電子制御技術の世界的リーダーであるヘリオス・テクノロジーズ(NYSE: HLIO)は11月3日、2025年9月27日を末日とする第3四半期の財務実績を発表した。同四半期の売上高は前年同期比13%増の2億2,000万ドルとなり、約3年ぶりに前年比プラス成長へ転じた。
■全地域・全セグメントで成長を実現
粗利益率は関税負担増にもかかわらず前年同期比で200ベーシスポイント拡大。売上増加による固定費レバレッジの改善と直接労務費率の低減が寄与した。希薄化後の非GAAP EPSは0.72ドルと前年同期比22%増加し、2023年第2四半期以来の高水準となった。
■財務基盤の強化が進展
同社は9四半期連続で有利子負債を削減し、前年同期比で6,400万ドル(13%)の削減を実現。純有利子負債対調整後EBITDAレバレッジ比率は前年同期の2.8倍から2.4倍へ改善した。第4四半期初めにはカスタム・フルードパワー(Custom Fluidpower )事業の売却により2,100万ドルの売却益を計上し、現金を受領している。
ショーン・ベイガン(Sean Bagan)社長兼最高経営責任者は「第3四半期の業績改善は、より高い業績を生み出す事業への転換戦略を成功裏に実行したヘリオスチームの証だ」と述べた。同氏は「約2年前に着手したイノベーションと取り組みの成果として、今日新規顧客獲得につながっている。事業ポートフォリオの精緻化を継続し、油圧・エレクトロニクス両セグメントの組織構造を再編した」と説明した。
■事業別実績と戦略見直し
油圧セグメントは売上高が9%増加し、モバイル機器および農業市場での成長が牽引した。農業市場は過去6四半期の前年割れから回復に転じた。営業利益率は前年並みだったが、粗利益率は90ベーシスポイント改善している。
エレクトロニクスセグメントは売上高が21%増と大幅に伸長。レクリエーション、モバイル、産業市場での成長が顕著だった。粗利益率は420ベーシスポイント拡大したが、i3プロダクト・デベロップメント事業の戦略的評価に伴うのれんの減損損失2,590万ドルの計上により営業利益は減少した。同社は今後、i3PD事業をコア事業に集中させる方針だ。
■2025年通期見通しを上方修正
ベイガン氏は「8四半期連続で期待に応え、組織全体に説明責任の規律を浸透させてきた。関税負担増とCFP事業売却にもかかわらず、年初に設定した通期見通しの中間値を上回る見込みだ」と述べ、第4四半期および通期の見通しを引き締め、中間値を引き上げた。これは第3四半期の受注時期が予想より好調だったことと、CFP事業売却の早期完了を反映したものだ。
同社は1997年の上場以来、毎四半期連続で株主に現金配当を実施している。建設、マテリアルハンドリング、農業、エネルギー、レクリエーション車両、船舶、ヘルス・ウェルネスなど多様な最終市場向けに、世界90カ国以上で製品を販売している。